ちむどんどん。
色々ありましたが、時々見ていました。
イタリア料理のフォンターナで修業したのに、
沖縄料理の店を開業、
しかも妊娠しているのに、
とか、
変な展開は感じていました。
しかしフォンターナの主人は、無邪気な主人公に寛容です。
妊娠中に、新しくお店をやるのは無理だと
開業を伸ばして、フォンターナの経理をやることをすすめてもくれます。
けれども「ちむどんどん」と、
フォンターナの主人が悪いようなことを言って開店します。
つわり一つなく、
いつの間にか沖縄の妹が来て、
(沖縄の人は、なぜかすぐ来て助けてくれる)
夫も寛容で、開店します。
おめでとうございます。
そして主人公と夫は、子供を連れて沖縄移住へ。
一人息子が沖縄に行くことになって、
「さようなら」と言う、義理の母、重子さん。
そして最終回。
重い病気になった妹。
主人公とお兄さんが海に叫びます。
それから、40年後、
いきなり白髪になった妹が登場し、
「あれから、風邪一つひいてない」と。
海に叫んだことで奇跡が起こって病気が治り、
それから「風邪一つひいていない」と。
そういうことなのでしょうか。
そういう幸運に、主人公兄弟たちは恵まれている。
このドラマの沖縄の人たちは、仲間と親族に囲まれ、
謎の幸運に輝いている。
うらやましい世界。
けれど、東京にいる重子さんはどうなのだろう。
一人ぽっちで、孫にもほとんど会えないけど、
誰も気にもしていない。
中原中也が好きだという、繊細な重子さん。
大切なオルゴールをお兄さんに壊されても、怒ったりはしなかった。
「さようなら」っていう言葉を聞いた時、
胸が締め付けられ、苦しかった。どうしてこの人は、脇役なのか、と。
だけど、重子さんには腹心のお手伝いさんもいる。
うるさい親戚はいなくても、どんなときにも、詩の一節が重子さんを助けるだろう。