今 「深沢七郎」が静かな(本当に静かな)ブームなのだそうです
そうです 代表作は 姥捨て山がテーマの「楢山節考」
そして 戦国時代の民衆の姿を描いた「笛吹川」
「楢山節考」のおりんばあやん 「笛吹川」のおけいやんは 何一つ教育を受けていないにもかかわらず 何と利巧で智慧があるのでしょうか そして どこまでやさしいのでしょうか
そして この無名の「ばあやん」や「おけいやん」とかがねこ子たちの真の祖先と言えるのです
そんな おりんばあやんやおけいやんが持っているような智慧もまた「結晶的知能」と言えるのではないでしょうか
でも そんな かしこさを持ち懸命に生きる人々も 無造作に殺されていってしまうのです
それが戦国時代なのです
それがたんたんと描いてある小説なのです
たんたんと描いてあるだけに 忘れることができないのです
その 「おけいやん」が産んだ子が 「惣蔵」 黒く大きなタニシのような眼と眼力を持った子どもでした
滅亡する武田勝頼と天目山まで行く運命と根性を持っている子
そんな 眼を持つ人 現代にもいるのでしょうか