伊勢海老が高くなることを知っていて 「先物買い」をしていたおばあ
92才
元禄5年は1692年なので この年に92才だとしても 間違いなく 大坂城落城を自分の目で見ていたおばあ
豊臣氏が 神社仏閣に気前よく寄進した挙句 滅んでいくのを見ていたおばあ
そんなおばあは 息子にこんなことを言っているのです
「贈答とは 先方からきたものを よくよく値踏みして、それと同値くらいに見えて 先方が少し得するように返礼するものだ」と
「お前は いつも2匁8分の贈答をくださる伊勢神宮に 丁銀1枚づつも 差し上げているが 無駄なことだ 大神宮も 無茶にお金を使う人を お喜びにはならないのですよ」と
このおばあ 徹底して 「心の世界」「プライスレスな世界」は信じないようです
苦労してきた方なのでしょう
そう この 「伊勢神宮の120末社の中でも 「長寿の神」など効果がありそうな社には賽銭がたくさん集まり そうでない社はひっそりしている」というのです
こんな風に 「神様でさえ お金儲けは苦労しているのだから まして 人間は油断してはならない」というのです