伊勢海老は春の栬(もみじ) (世間胸算用)より | ゆうゆうねこの感想ブログ

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内容は、本などの感想です~~




「俺の一代のうちに 高いものを買ったことがない。薪は6月、綿は8月、米は新酒を仕込む前、奈良晒は毎年盆過ぎて買い込む、というふうに、年中安値の時分に、現金で買いたたいて、家計に有利な仕方ばかりをしてきた」 











という家でどうしても 正月飾りの伊勢海老が必要になり 年末になって最後の1つを 4匁8分の金を出しても買おうとしていたが 一足遅く 誰かに買われてしまった











そこで 細工人に紅絹で伊勢海老の細工を 2匁5分で作らせることとした











「4匁8分を2匁5分で済ますことができた」と自慢する主人のもとに のそっと その家のおばあがやってきたのだった











おばあは「今年は伊勢海老が高くなる」ことを 知恵として知っており 「今月中ごろに 4文ずつで 2つ買っておいた」というのである











1人で隠居屋敷に暮らしているおばあが なぜ 伊勢海老を2つも買っていたのでしょう?











「年末かならず ごぼうを1匁分くれる人に お礼を4文で済まそうと思って (値段の上がりそうなものを買った)」











「今年はまだ その人は来ていないことが お前の幸運だった でも いかに親子とはいえ 勘定は確かにしたい 1匁分の ごぼうをくれればこの伊勢海老をやる」











というのです











この短い話の中に 「どうしたらお金が儲かるのか」が書かれていますよね














でも ここまではできないなあ おばあはどうやら エビの細工物が出来上がってから母屋に来たみたいなので 家の主人は結局大出費しています(エビ細工代2匁5分プラスごぼう1匁で)











ここで おばあが「4文でいいよ (^∇^)」と言っておけば














「おばあさま!」と家じゅうが感激し 「プライスレス」な利益があったんだと思うのです














それに なんとなく おばあは残った伊勢海老1匹を 結局ごぼうの人への「お礼」として使いそうです











でも このころは まだ 江戸初期














大阪城落城をその目で見たかもしれない おばあにそんな甘さは通用しないのかもしれません














おばあの目には 無駄にお金と時間を使っていて 貧乏なままの ねこ子たちはどう映るのでしょうか…











そう まぐろ 5649万円にも 「プライスレス」な価値があったのです きっと