人間が より良き人間になっていくのは、
木が 図体だけ大きくなっていくのとは 違う。
樫の木が 300年も ただつっ立たったあげく、
老いさらばえて 丸太となって、倒れていくのとは違う。
それよりも、 一日の命を生きる
五月の白百合のほうが 見事なのだ、
たとえ 一晩でしぼんで 死んでいくにしても、…
永遠の光を宿す 草花であったからだ。
小さければ小さいなりに、そこに美がある、
つかの間の命のうちにも、 完璧な人生はあるのだ。
ベン・ジョンソン(イギリスの詩人)