「パエトーン」は 山岸涼子氏が1988年に描いた短編漫画です
たぶん「ASUKA」か「花とゆめ」かでリアルタイムに読んだのですが…
太陽神アポロンの子パエトーンが太陽の車を操ろうとして大惨事を起こしてしまうというギリシア神話を原子力事業にたとえて 警鐘を鳴らしてくれたマンガです
現在でも「干される」と言われるこの題材を23年も前に作品にしていた勇気
この作品が 白泉社でも角川でもない出版社から出版されていることや その後の山岸氏の執筆の経緯を考えると
山岸涼子氏であっても 一時「干される」ようなことがあったのかもしれません
作品の中で 汚染地域に住む女性がこう言っています
「はじめのうちは 汚染されている食物を取らないようにと 一生懸命気をつけていたのです」
「でも 今年に入ってからは 汚染度がますます激しくなったにもかかわらず それを口にしてしまうのです」と
何度も書きますが 個人の努力には限界があるのです
10日で放射能を封じ込めたと言われるチェルノブイリでさえ 汚染はどんどん進んでいるのです
この作品は 今 ネットで無料公開されています
(追記 7・9)
「パエトーン」は1988年に「アスカコミックス」で出ているようですが絶版になり 現在は文春文庫と潮出版社の全集に収録されているようです