途中で呼吸が速くなる瞬間について
アシュタンガの練習をしていると、ふとした拍子に呼吸が速くなる瞬間がある。それは、難しいポーズに入る直前かもしれないし、長いヴィンヤーサが続いた後かもしれない。
外から見ると「乱れ」と呼ばれるものかもしれないが、内側ではもっと曖昧で、かたちのない感覚として立ち上がっているように思える。
レッドクラスに参加していると、こうした瞬間が、よりはっきりと浮かび上がることがある。インストラクターの声に合わせて、一定のリズムで動き続ける。
呼吸の長さ、足を運ぶ位置、視線の高さ。意識が常に外側に引き出されるようでありながら、同時に、自分の内側に残されている「わずかなズレ」も、否応なく見えてくる。
この感覚は、少し居心地が悪い。しかし、その居心地の悪さこそが、インナーリムズへと入り込む入口のようにも思えてくる。
レッドクラスは、正しさを覚える場ではないのかもしれない
「レッドクラスは、正しい順番やヴィンヤーサを覚えるためのクラスです。」そう説明されることが多いし、それはある程度は正しいのだろう。だが、それだけでは少し物足りない説明にも見える。
順番を覚えることだけが目的なら、動画を見たり、本を読んだりしてもよいはずだ。レッドクラスで経験されているのは、もう少し複雑で、もう少し繊細なことではないだろうか。
インストラクターの声に呼吸が引き出される。そのリズムに、身体がついていこうとする。時どき置いていかれそうになり、時どき先へ急ごうとしてしまう。
その「ついていけない感じ」や、「急ぎたくなる衝動」が、静かに内側に浮かび上がる。それらは、普段の練習では見落としてしまうものだろう。マイソールクラスで自分のペースに委ねていると、こうした小さな違和感は、意外と巧妙に隠されてしまう。
レッドクラスは、インストラクターのためではなく、ポーズを完成させるためでもなく、「自分の内側に潜んでいるクセに気づくための、ひとつの環境」として存在しているように見える。
そして、その気づきは、できる人ほど、あるいは長く続けている人ほど、むしろ深くなるのかもしれない。


