18回目のブログになります。

32歳位に亡くなった女性の方の話です。
来院当時たしか25歳位だったと思います。

この方のお母さんが時々腰痛や肩凝りで来られていたのですが、明るい方で「私の娘が肩から背中にかけて張って苦しいらしく、一度診て欲しいんだけど。ただ3年位前に乳癌で手術しているから。」と言われて、それまで全くそういう事を聞いていなかったので、びっくりして、「それは大変でしたね。私も娘がいるけど、乳癌になったらと思うだけで、ぞっとしますよ。私の方がおかしくなりそうです。」と言いました。

「最初に病院の先生から聞かされた時は、私の方が取り乱してしまったんです。逆に娘の方からしっかりしてと言われたほどだったんです。」と答えられました。

何日か後に娘さんが来院されました。
明るくて可愛いらしい方で、とても乳癌で手術されたとは思えない位でした。
学校卒業して有名な立派な会社に就職されて、その年に乳癌になったそうです。

「僕だったらその若さでそんな病気になったら、ずーっと落ち込んだままで神も仏もあるものか!と思って世の中を恨んでしまうと絶対思いますよ。」と私が言うと、「最初はショックだったけど、死ぬわけでないし、自分でも以外なほど開き直れて、周りの人が思うほどなかったですよ。」と笑いながら答えられました。
この方は私なんかよりずっと精神的に強い人なんだなぁと思いました。

結構乳癌で手術されている患者さんを診てきたのですが、手術後腕の動きが悪くなったり、肩凝りや背中が張りやすくなったりされている方が多いです。
この娘さんは左側の乳癌で切除手術されて、やや右側の首から肩、背中にかけて張るんですと言われてました。

確かに下部頚椎は動きが悪く、後方に出ていたのですが、何か変な張り方していて気になって、「右側の胸は何か違和感ないかい?」と聞いたところ、「何か変な感じで、少しシコリがあるような気がするから、今度検診に行った時に調べてもらおうと思っているんです。」
私は「何ともないといいですね。」と願望を込めて言いました。

私が仲人して戴いた整形外科の先生(6年前に他界されました)がよく、「他の病気が原因で腰でも背中でも痛くなったりする事があるから気をつけなさい。」と助言されて、例を挙げて教えて頂きましたし、開業当時こういう患者さんが来られたのですが、何か他に原因あるのでしょうか?と聞いてみた事もありました。その度に的確なアドバイスをして頂きました。実際に今迄何人もの患者さん方がいました。

例を挙げてみます。
肩凝って頭痛いと言って来られた患者さんは、触診してみて首から肩にかけて張っておらず、頚椎の動きも悪くないので、血圧を測ってみたら異常な数字で(130-125)、私は「治療している場合でないから、すぐ脳外科に行って下さい。」と言って帰しました。何カ月後で本人から御礼の連絡があったのですが、クモ膜下出血だったのです。「すぐに手術されて今はしびれも無く、自転車乗れるようになりました。」と言われ、何度も御礼を言われました。

寝違えして背中痛いと言って来られた患者さんは、一度治療して良くなってその一週間後にまた寝違えたと来られたのですが、触診してみて何か違和感を感じ、「一度内科に行ってみて下さい。」と言って帰しました。その後奥さんから報告されたのですが、リンパの癌だった方もいました。

急に首が痛くて動かせない。と言って来られた若い男性は、髄膜炎が原因だったのです。
来院される前に整形外科に受診してレントゲンを撮って、骨には異常ないと言われて来られたのですが、触診と問診と検査して私は、「病院に行って下さい。髄膜炎か他の病気が原因だと思いますよ。」と言って帰しました。数時間後本人から「髄膜炎でした。」と報告の電話を頂きました。

その他にもいろんな病気が原因で来院された患者さんが多数いました。
やはり充分な問診と検査が必要です。またもっと大切なのは触診した感覚が普通と違う感じがします。言葉であらわせられない感じですが、何か違うのです。

長くなってしまいました。この娘さんはの話は次回に。