合成麻薬MDMAを一緒にのんだ女性の救命を怠ったとして、裁判員裁判の1審が保護責任者遺棄と麻薬取締法違反(譲渡、譲り受け、所持)の罪を適用して懲役2年6月を言い渡し、2審も支持した元俳優、押尾学被告(33)について、最高裁第1小法廷(宮川光治裁判長)は15日までに被告の上告を棄却する決定をした。実刑が確定する。被告側は異議申し立てを行うとみられるが、覆る可能性はほとんどなく、正式な確定後に収監される。
事件発生から2年半余り。押尾被告がついに収監されることになった。
最高裁の決定は13日付。弁護団の野嶋慎一郎弁護士によると、上告棄却の書面が14日に押尾被告と弁護団に届いた。棄却決定について、押尾被告は弁護団を通じ「非常に残念で納得できない」とのコメントを出し、野嶋氏も「残念な結果だ。今後の対応は本人と協議して決める」とした。
サンケイスポーツの取材に応じた野嶋氏によると、最近の押尾被告は“歌手復帰”を目指し、曲を書きためる日々だった。弁護団が月1度のペースで電話連絡し、近況を確認。昨年末「行動を慎んで生活するように」と伝えたところ、押尾被告は「最近は友人とお酒を飲みに出かけたが、騒いではいません」と答えたという。
被告は決定に対する異議申し立てができるが、野嶋氏は「異議申し立ては押尾被告と交えて検討する。『最後のあがき』でする可能性はある」と明かした。被告本人の会見は行わない予定。
押尾被告はMDMAの使用による麻薬取締法違反罪でも2009年11月に懲役1年6月、執行猶予5年の東京地裁判決が確定しており、今回の有罪確定を受けて執行猶予が取り消され、合わせて服役することになる。合算すると「2年6月+1年6月」で4年となるが、1審判決が刑への算入を認めた180日間の拘置期間を差し引き、最長3年6月とみられる。
板倉宏日大名誉教授(78)=刑法=は「仮釈放で6月くらい刑期が短くなる可能性もありますが、3年は収監されるでしょう」と指摘した。
1、2審判決によると、押尾被告は2009年8月、東京・六本木ヒルズで銀座のホステス、田中香織さん=当時(30)=の容体が急変したのに救急車を呼ばずに放置するなどした。
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