近所の小さな商店街に、

この道、幾十年といった

年期の入った、お弁当屋さんがあります。


その斜め向かいには、

現代の流れの『オリジン弁当』がある。


この土地に暮らし、5年目になるのだけど

初めて、土地のお弁当屋さんを訪ねました。


閉店の準備に取り掛かりつつある

お店の亭主、推定70歳の叔父さん。


お弁当屋さんの造りは、お肉屋さんの雰囲気に似ている。


既に店頭には、お弁当はなく、

ショーケース越しに、お弁当を探して

目をキョロキョロさせていると

叔父さんがニッコリ笑って


『あーお弁当かな?』


と言いながら、

閉まった札を出して、丁寧に並べて下さった。


また道具を出して作るのも大変だろうし、

一旦は、買うのを止め様と思ったのだけど

このオモテナシに、胸を捕まれました。


今日は終わりだからーと、断る事も出来るのに、

たった一人の御客も大事にする精神。


値段にして、たかが450円。

これ迄、見掛けている以上だと、

そこそこ繁盛していると思う。


そんな、叔父さんが造って下さったお弁当は

優しい味でなんですよ、これがまた。


科学調味料の味もせず

手作り満載で、なんというか、

上品な仕出し屋さんの味でした。


特にお弁当は、いつも気持ち悪くなって、

半分くらいしか食べられないのですが、

珍しく、全部、綺麗に食べれました。


そして何と言っても今、

前回の体調不慮が違う形で出てまして、

最も食を受け付けない時であるにも関わらず、

食べ切れて感激です。


そのくらい、優しいお弁当なんだと思います。


今後この土地でお弁当を食べる時は

叔父さんのお弁当に、

お世話になろうと決めました。