この前、講義が終わったあと突然話しかけてきた女の子がいた。この講義は通年科目のため、前期から一緒だったのだが、この前急に話しかけてきた。
「中学生の時塾一緒だったよね」
まっっっったく覚えてなかった。が、そうだったのか。
てかその話しかけてくれた女の子、第一回目の講義から正直可愛いなーって思っていた。なぜ覚えていないのか。。。
「ごめん、覚えてなかった!」
「ほんとにー?途中でいなくなったよね!」
「あ、そうそう、前期で決まってやめちゃったんだよね」
「そうだったんだーー」
そんな他愛もない話をしてその日は終わった。
そしてその次の週。グループワークがあった。
よっしゃ!その子と同じグループになれ!と思っていたが、願い叶わず別グループに。その上、次の週からお互い実習だったため、1週間会えない。だからその日どうしてもその子と話したかった。
講義中はどう頑張っても無理。講義終わったあとなら、、、でもボクはいつも友達と早く教室を出てしまう。自然な流れで行くにはどうすれば良いのか。。。
そんなことを考えてたら講義が終わった。
友達から「帰ろうぜー」と言われ、外に出る。ボクはその日サークルのため友達を大学から見送ったあとサークルをする教室へ向かう。その時がチャンスだった。
教室から出る時、その子は教授と話していて恐らくまだ出てきていない。だからイヤホンをして音楽を聴いているふりをしながら入口をちょっと遠くから見張る。(今考えるとだいぶストーカーでキモイ)
5分くらい経過した時、読み通りその子は出てきた。
イヤホンをしてポケットに手を突っ込みながら早足でその子を追う。
追いついた時、偶然を装って言った。
「あれ?お疲れー!」
「お疲れー!」
「こっちなんだね、大学に何で来てるの?」
「自転車だよー」
そんな他愛もない会話をした。家がどこなのかも聞いた。めちゃくちゃ近所だった。
「それじゃあ俺こっちだわ!気をつけてねー!またねー!」
「バイバイー!」
話せただけでボクにとっては凄い大きな一歩だし勇気出せたしよくやったと思う。
でも、連絡先が欲しかった。
そしてもっと仲良くなってデートがしたい。それが本音だった。
それからYouTubeで加藤純一の恋愛相談をめちゃくちゃ見て研究した。
変にかっこつけず率直な気持ちを伝えれば良い。よし、次は連絡先を正直に聞こう。
そして迎えた昨日。自信に満ち溢れていた。なぜかって?
頭ん中のシミュレーションはバッチリで朝からずっと「ハレ晴レユカイ」を聴いていて最強だったからだ。
講義が終わる。
友達から「帰ろうぜー」と言われ、外に出る。その子はまだ教室にいる。
「んじゃ俺サークルだから!またねー!」
友達と別れる。
よし。あとは遠くから女の子が入口から出てくるのを見張ってこの前と同じように偶然装って話しかけて連絡先を聞く。完璧だ。
イヤホンから聞こえるのは中島みゆきの「ファイト!」気持ちを鼓舞させて待つ。
5分経過。まだ来ない。
10分経過。まだ来ない。
20分経過。まだ来ない。寒い。
30分経過。来ない!!!!!
サークルの後輩がボクの前を通り、言った。
「先輩、何してんすか?サークルやりますよ」
「ウイッス」
だぁあぁぁぁあ!!くそ!!
よくよく考えたら入口ひとつじゃないし!!!そっち見てなかったし!!!
来週は入試休みだから学校行かないし!!!会えるのまた再来週だし!!!
イヤホンから聴こえるのは、ゆずの「サヨナラバス」
まだサヨナラしてねぇし!!その段階まで行ってねぇし!!!クソッタレ!
なんで今日に限って出てこなくてそもそもなんで教室で話しかけられないんだヘタレ俺!!!
fin.