幼稚園~小学校時代、デジタルバトルカードダスが超流行った。ムシキングや恐竜キング、ドラゴンボールにワンピース、女の子はラブandベリーなどありとあらゆるアーケードカードゲームが流行ったあの頃、近所のショッピングモールが賑わっていた。


フードコートは満席。見渡す限りぜーんぶ家族連れが占拠していてファストフードを頬張る。パレード会場のようだった。

フードコートの近くには必ずカードゲーム筐体が置いてある。少年少女たちは思い思い好きなゲーム筐体の前に並び、行列を作り、今か今かと自分の番を待っている。


ボクもその1人だった。が、ボクは他の人と比べてカードゲームをやり出すのが少し遅かった。

兄がムシキングをめちゃくちゃやってて、それを真後ろの特等席から見るのが大好きだった。

「zen!アトラスオオカブト当たったぞ!!」

「ガンガンスマッシュ超強いぞ!!」

土日はいつもこんな感じでイオンのゲームコーナーに入り浸っていた。



小学校で「土日何してたー?」って話をする。

ボクは兄とイオンでカードゲームをしていたことをみんなに話す。

だいたい友達は皆同じ感じ。でも時々


「俺ディズニーランド行ってきた!!」


と話す友達が居た。


ディ、ディズニーランド!!??

そんなもの本当に存在するのか?どんなのがあるのか?ムシキングより楽しいの??ヒーローズより熱中できる??




家に帰って母に言った。

「おっかー!ディズニーランド行こう!」


母が言う


「中学の修学旅行で行くからそれまで待ちなさい!」



それでも行きたかったんで近所の友達(年上)に

「ここにディズニーランド作ろう!」

と言って滑り台をスケボーで滑ったり、水のショーと言って水風船をぶつけあったり、友達(年上)に手掴んでもらって回してもらったりして疑似ディズニーを楽しんだ。






ある日、親友家族から「中学生になる前にみんなでディズニーに行かないか?」と誘われ、ディズニー旅行が急に決まった。



嬉しさの前に現実なのか疑った。ディズニー、??本当に存在してボクは本当に行くのか??


ワクワクと不安が入り交じっていた。




どうでもいいけどディズニーランドへ行く3日前、4歳から習っていたサッカーの最後の大会があった。

ディズニーへの期待なのかどうかわからないが、いつもよりキレッキレで最多アシスト、大量得点で初めてMVPをとった。

わかりやすい男。




そしてついにディズニーランド当日になった。

友達家族と全ちゃん家で夜行バスに乗り、ディズニーランドへ。

6時に到着。ディズニー前のトイレで歯磨きなど諸々準備をし、列に並ぶ。目の前にシンデレラ城。非現実感が半端なかった。それと同時にワクワク、ドキドキが最高潮に。



そして、入場の時になった。

フレンドリーなお姉さんにチケットを渡し、中に入ったらそこは本当に夢の世界が広がっていた。

スケボー滑り台をスペースマウンテンと言って目つぶって滑ったりしていたが、本物のスペースマウンテンは本当に宇宙みたいでピカピカしていた。水のショーは水風船なんて投げ合わないじゃないか。手掴んでぐるぐる回すアトラクションなんてないじゃん。






最高の1日だった。






それから3年後、修学旅行でもディズニーランドに行った。この歳になると周りにカップルが誕生し始める。

カップルディズニーを楽しんでいる奴らを横目にボクは野郎グループで夢の国をめちゃくちゃ満喫した。

デブの隣に乗るビッグサンダーマウンテンは最高にスリリングで何回かマジで落ちかけた。

ぜってぇカップルより楽しかった。

家に帰ってからも興奮がさめず、ダンボールでVRを自作し、iPodtouchでYouTubeに載ってたスプラッシュマウンテンの体験動画を流し、1ヶ月くらいそれを見続けていた。





修学旅行から6年後、今年のゴールデンウィーク、遂に人生3回目のディズニーへ行った。地元の仲間たち4人で。今回はディズニーシー。

あの頃のドキドキとワクワクは健在だった。

夢にまで見たタワーオブテラー。トイストーリーマニアにセンターオブジアース。全部乗れた。

21歳のいい歳した大学生が小学生のように超はしゃいでいた。


あの非現実感。アトラクションに乗ると並んでいる知らない人が手を振ってくれる。あの時間が好きだな〜。




楽しかったなー。また行きたいなー。







先輩からの教えでボクが1番好きな「ディズニーランド理論」というものがある。

人は前の幸せを超えた時幸せを感じるから小さい頃からディズニーランドに連れていかせちゃうとディズニーより下のご当地遊園地とかで幸せを感じれなくなっちゃうって理論。





本当にその通りだなって。








ただ、あの頃の近所の公園とイオンは間違いなくボクにとってのディズニーだった。カードゲームの前はパレードみたいに小学生で賑わってて、公園も毎日サッカーをしてもキックベースをしても擬似アトラクションをしても心から楽しかった。




そのイオンのゲームコーナーは今は無いし、ゲーセンも昔ほど盛り上がっていない。公園でディズニーランドをする小学生も見なくなったけど、あの時、近所に''ディズニー''は確かに存在していた。

本物のディズニーも疑似ディズニーも大好きだ。






















あれこれ書いたけどどうやって落とすか思いつかない。

とりあえず1番何が言いたいかって言うとカップルディズニーに強い憧れを持ってるってことです。

あー羨まし。