夏の色彩が瞳の中で豊かに弾けてゆく。
気温は肌の質感を突貫して時に灼熱なれど、しかし夏には夏の良さがある。
毎日世界の終わりを感じてるし、毎日世界の始まりも感じてる。
毎日人類の呪いを眺めているし、毎日人類の祝福も眺めている。
そこで俺は「ハロー」と声をかけてみる。
身体の中は宇宙、身体の外も宇宙、結局はあたり一面宇宙。
そしてその一切がただ意識の中に観念としてあるに過ぎない。
だから内も外もありもしない。どこへ行こうが行くまいが同じこと。ただ一つの場所に在る。
他人も自分もない。本当に在るのはただ一つのもの。この静かな確信だけは決して破壊することはできない。例え世界中の悪意がこの身を焼こうとも、貫こうとも、ただそれだけは。
シャクティー。
無限の脈動が瞬間から瞬間へと瞬く。
生と死。
不幸と幸福。
快楽と苦痛。
全ていっしょくたに飲み込む女神。
女神。
かの神性は暗黒の女神とも殺戮の女神とも呼ばれる。そして破壊の女神とも。俺はそう聞いたことがある。
その名はカーリー。
カーリー。
カーリー。
カーリー・マー。
全ての虚偽を破壊して舌を出して踊り狂う女神。
カーリー・マーの加護があなたと私にありますように。私達が幼子のように素直に神の助けを受け入れられますように。