とある夜、よく行く駅で、左上の方から、ただならぬ宣言の様なものを感じ、恐る恐る目を上げた。
『第2号……』
僕は、何だか不安になって、隣の柱へと目を移した……
何もない。柱を追うように、ホームの端っこまで行ってみたが、「第1号」と「第3号」は無い。もしや他の部位に付着しているのでは……と、階段の裏や、壁の隅も調べてみたが、何も見つける事は出来なかった。
『第2号……』
何だろうか? これは。
この駅内で、1号と3号が見つかれば、この案件は、無難に僕の中で処理されたはずだが、何故、こんな場末の駅に、中途半端な「第2号」だけなのか……。
「芸術?」
いや、そんなことで丸く収めてしまうには、根が深すぎる様な気がする。
もし、隣の駅、ホームの隅の灰皿の陰や、男子トイレの小便器の側面などで「1号」や「3号」が見つかれば、ただ事ではない。引き続き調査するつもりだ。