FMラジオを聴いていて、ふと思ったのだが、音楽には「愛の歌」が多い。ややもすれば7割ぐらいがそうではないか?
そして愛の歌には美しい名曲が多い。
鳥や虫は、求愛する時に美しく歌う。もしかしたら人間もそうなのかも知れない、そして
「今までこんな事出来なかったのに……」
的なことが、スイッチが入ったかのように出来て、すんなりと壁を越えてしまうものだ。
それは「本能」の一部かもしれないが、どんな形であれ恋愛が、その人の一生に与える影響は大きい。
潮騒 1978 山下達郎
打寄せる波 素足へと
集める泡のもろさより
君の心は傷つきやすいから
いつも僕が包んであげたい
君のこと
少しずつでも打ち解け合い
永遠の愛つかみたいと
僕の心 限りなく願う
愛してくれるね
僕のこと……
……星影 浮かんだ 君がいとおしい
星影 浮かんだ 君がいとおしい……
達郎さんは僕も大好きだ。そしてこの「潮騒」は彼の、いや日本のPops屈指のラブソングだと思う。 達郎さんご本人は……
「とあるアメリカミュージシャンの様なコード進行を持った曲を、やってみたかっただけ……」
と、音楽職人らしい事を言っておられるが、この曲は当時、関係が深くなりつつあった彼の奥様「竹内まりや」さんに宛てた熱いラブソングである事を、僕は見抜いている。
「潮騒」の作詞者クレジットは「吉田美奈子」となっているが、これは絶対、山下達郎
ご本人の詞だ、達郎さんは恥ずかしいので、それを隠している。
吉田美奈子さんの作詞なら、もう少し抽象的で女性目線になるはずだ。「愛してくれるね……」とかは出てこないと思う、それに「口づけ……」と、最後に「いとおしい」だ。こんなストレートな表現は、恋愛まっしぐらの当事者でないと出来ない、それに歌詞の雰囲気と「時間感」が、後年の山下達郎に似ている。
ご夫婦の秘密に迫るような、下世話なことを書いてしまったが、当時の達郎さんは「竹内まりや」という、才色兼備の素晴らしい方の信頼を得るために「頑張った」はずだし、その頑張りによって、彼女を生涯の伴侶に出来たから、今の山下達郎が有るのだと思う……
あー恥ずかしかったです。
恋愛の事を真面目に書くなんて、笑。
次は、上の話に出てきた「とあるアメリカミュージシャン」について書いてみます。内容は少し複雑な恋です。
(つづく)