雨が降ると思い出す。

君が自分のさしていた傘をたたんで私の傘をさしかけて、腕を組んで歩いた事。
君の傘の方が当然大きくて、私の傘を2人でさせばそれだけ身を寄せ合える事が嬉しかった。

どしゃ降りの中を歩いたね。

肩先や足元が少しは濡れてしまっても、少しもイヤじゃなかったね。あんなに楽しそうに雨の中を歩く私達は世界で一番、幸福者のように思えた。

君は男だから、面倒なんじゃないかと思ったけれど、いつもと同じ、ものすごい早足で歩いたね。
私はチビだから、一生懸命急いでついていったよ。

…だって腕を組んでいるんだもん…



風が強くてスカートを押さえるのに必死な私の荷物を持ってくれたね。

頼んでもいないのに、毎日欠かさず仕事が終わったらメールか電話をしてくれてた。…頼んでないけど、毎日心待ちにしてた。
すごく嬉しかった。



…なぜ今日はこんなに君の事を思い出すんだろう。

雨が降っているから?



…君を失ってから、そろそろ1年がたとうというのに…

君を想って泣いたり

君と行った場所に行けなかったり

君に触れたかったり

君の胸に顔を埋めて泣きたかったり

君との出逢いに感謝したり



行ったり来たりするばかりでなんにも変わってなどいない。



今日はいつもより心細くて君に逢いたくて…眠れそうもないよ

眠ったら、君の夢を見そうで…