懇意にさせていただいている銀行の副支店長といつものようにお話をしたのですが、業績が厳しい融資先の顧問税理士についての話となりました。
そこできっぱりと副支店長は
「事務だけの税理士は要らないですね。」
と仰っていました。
事務、つまりは記帳代行や申告書作成のことを意味するわけですが、数か月分あるいは1年分の請求書や領収書を税理士に丸投げして、正しいかどうかもわからずに記帳代行をして適当な申告書を作るだけの税理士なんて要らない、というわけです。
本来、業績が厳しいならばしっかりと会計、資金繰りの観点から経営指導をしなければならないところ、ただただ記帳代行して申告書を作成するだけ。
残念ながら実際にはそのような税理士はこのご時世でも結構それなりにいます。
特に開業したばかりの税理士はメシを食っていくためにも記帳代行を安く請け負うことも仕方ないものと思います。
しかしそのまま安く記帳代行ばかりをやっていると経営者を伴走支援するような経営助言業務とは程遠いまま。
会社の規模を大きくして内部統制の取れた組織にしていくためには、やはりそれなりの税理士に依頼する必要があるのかもしれません。
当法人の場合には記帳の自計化を支援しますし毎月顧問先を訪問して経営者と面談をすることを業務としていることを副支店長にはお伝えしました。
経営者と会ってナンボなんですよね。
銀行業務もそうだと思います。
融資先の経営者と会わないことには実情がわからないですからね。融資の判断なんてつかないですよ。
財務責任者といくら話しても最終的には代表取締役の実印を押印してもらわないといけないですから、経営責任のある人と会わないと話にならないということです。
そうなってくると銀行業務も税理士業務も経営者と対面出来るだけの度胸や知識が必要ですし、誠実さや傾聴力も必要になってくるものと思います。
傾聴力を特に重視しているのですがより一層身につけるにはどうしたら良いだろうかと思い、最近ではYou Tubeで元大手企業トップセールスマンたちの営業ノウハウ動画が複数あるのでそれらを観て勉強しています。
トップセールスマン達が凄いというよりも、勿論凄いんですけどそれよりも営業のメソッドがしっかりとあるのでそのメソッドをきっちりと学ぶことにあります。
各々独自性があるものの基本的なエッセンスというか外してはならない部分をしっかりと掴むだけでもだいぶ違います。
今までも私の周囲に様々な業界の自称トップセールスマンが何人もいたのですが、何をもってトップセールスなのか微妙でしたしたった1か月でもトップであればトップセールスを名乗っていたのでしょうけれども、上記のトップセールスの方々は何年にもわたって全国で営業成績トップを取り続けた正真正銘のトップセールスマンですからずば抜けています。
ところで炎の講演家・鴨頭嘉人さんが以前動画で仰っていたのですが(動画のタイトルを失念してしまったのですが)、組織力を上げるためにはどこに力を入れたらよいかという話がありました。
強みを伸ばした方が良いか?
弱い部分を克服した方が良いか?
どっちだと思います??
正解は「弱い部分を克服した方が良い」です。
何故ならば業務を細分化してそれぞれに点数をつけてそれらの掛け算が組織力だからだそうです。
ただでさえ高い点数をさらに伸ばすよりも元々低い点数だった部分を少しでも上げた方が、全体での掛け算の結果が大きくなるそうです。
例えばですが会社の営業力を訪問件数、客数、提案力に細分化したとします。
各々10点満点だとして自社で評価してみるのです。
その結果、訪問件数3点、客数5点、提案力8点だったとします。
訪問件数が弱く機動力に欠けるものの提案力には自信があるということですね。
掛け算ですから3点×5点×8点=120点が組織としての営業力です。
強みを活かそうとして提案力を伸ばして10点にすると、
3点×5点×10点=150点となります。
一方、弱みを克服しようと訪問件数に力を入れて3点から5点に上げますと、
5点×5点×8点=200点となります。
強みを伸ばして2点上げるよりも弱みを克服して2点上げた方が組織としての営業力が上がるわけです。
個々人の強みを伸ばして能力を引き上げるのは勿論大事ですが、組織力を向上させたいならば組織としての弱点の克服が大事です。
ウチの会社ってここが弱いんだよなーというのがありましたら、是非その弱い部分にメスを入れてみてください。
会社全体としての組織力向上に繋がるものと思います。
このような考え方で私個人の場合には、業務においてしっかりとロールプレイングをして伝えなければならない情報を伝える練習を怠ってきました。
自分の人となりで勝負をしてしまって体系立ててお話をするということや応酬話法、ニーズ喚起について理論構築をあまりしてきませんでした。
今一度、こちら都合で誘導するためではなくてお客様のためになるように、しっかりと伝えなければならないことは伝え切るための営業を学んでいます。
傾聴力と言ってもただ話を深く聞くのではなく話の深掘り方法であったり、本人も気付いていない潜在的なニーズを掘り起こすためのヒアリング力などを身につけることで、初めて本当に伝えなければならない内容が見えてきます。
それらを含めて「傾聴力」と捉えています。
私個人の改善により後輩への指導も改善されますので結果的に組織力の向上に繋がると考えます。
本日もお疲れ様でした。