スタートアップが増資して、資本金が1億円を超えることに関して、消費税の取扱いに影響があります。

 

1.電子申告の義務化: 資本金が1億円を超える企業は、消費税の申告義務が電子申告(e-Tax)の対象となります。これは、申告書や関連する書類をすべてe-Taxで提出する必要があることを意味し、紙での手続きから電子的な手続きへの移行が求められます。電子申告の義務化は、効率的な税務手続きと透明性の向上を目的として導入されています。

 

2.特定新規設立法人の納税義務免除の特例対象: 消費税の免税点制度において、資本金が1,000万円以上の法人は、新たに設立された場合でも一定の条件下で消費税の納税義務が発生します。

 

 

3.課税期間の開始判定: 資本金が1億円を超えるか否かの判定は、「事業年度開始時」に行われます。つまり、その時点で資本金が1億円を超えているかどうかが、電子申告の対象となるか否かの基準になります。


 

※特定新規設立法人の納税義務免除の特例について特定新規設立法人の納税義務の免除の特例は、新しく設立された法人が通常適用される消費税の納税義務の免除を受けられない場合について定めたルールです。
この特例は、消費税法の改正で不適切な免税措置を防ぐために導入されました。


①通常の納税義務免除のルール
一般的に、新しく設立された法人(新設法人)は、設立初年度とその翌年度の消費税納税義務が免除されます。これは、課税売上高が基準期間(設立の2期前)にないためです。

②特定新規設立法人の納税義務の免除の場合
a.支配関係の存在(親会社がある場合)

新規設立法人が他の法人や個人によって支配されている場合です。具体的には、新規設立法人の株式や出資の過半数(50%超)を直接または間接的に他の者により所有されていることを指します。

b.基準期間相当期間における課税売上高

支配している法人等の課税売上高が新規設立法人の新設開始日の属する事業年度の基準期間に相当する機関における課税売上が5億円を超える場合、特定新規設立法人に該当します。

具体的な注意点
特定新規設立法人に該当すると、設立初年度から消費税の申告と納税が必要になります。
該当するかどうかを判断するためには、資本金の額や親会社の基準期間売上高、支配関係を慎重に確認する必要があります。

 

スタートアップ税理士