有姿除却について | アークス総合会計事務所のブログ

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既に使用を中止した固定資産で、処分代が高額になるため
破砕・廃棄等を行っていない固定資産はありませんか?
ごく稀なケースかもしれませんが、その資産は有姿除却によって
除却した事業年度の損金に算入することができます。
今回は有姿除却の概要・方法について説明させていただきます。
■有姿除却とは…
 使用価値が尽きてしまっていることが明確なものについて
 その現状有姿のまま帳簿上除却処理をすること。
 有姿除却は、税法で認められている制度ではありますが、
 認められるのは、次に掲げるような固定資産になります。
■認められる固定資産…次のどちらかに該当するもの
 ①その使用を廃止し、今後通常の方法により事業の用に
  供する可能性がないと認められる固定資産
  たとえ他に転用する可能性があるとしても
  その転用後の使用方法が、その資産の本来の用途・用法と
  全く異なり、経済性が維持できないような極端な用途変更が
  ある場合、通常の方法により事業の用に供する可能性には
  当たらないと判断されます。
 ②特定の製品の生産のため、専用とされていた金型等で、
  その製品の生産を中止したことにより
  将来使用される可能性が殆どないもの

  金型等において生産を中止したということは
  単に生産中止を決定したということだけでなく
  生産中止後の状況を見たうえで将来の
  使用可能性を見極めるということから
  通常は生産中止後、ある程度の期間状況を
  見極めたあとはじめて除却処理できるものと
  されております。
■処分価格の算式
 除却損失(損金算入)=その資産の帳簿価格-処分見積額
■仕訳例
 ①取得時
 (備品)120,000(現金預金)120,000
 ②減価償却計上
 (減価償却費)20,000(減価償却累計額)20,000
 ③除却時
 (貯蔵品)        50,000(備品)120,000
 (減価償却累計額)20,000
 (固定資産除却損)50,000
 ※手許にはありますが、実際に使用されていないため、
  処分見積額で、備品勘定から貯蔵品勘定への振替をします。
  このような有姿除却の適用を受けるに当たって
  今後の使用可能性の有無と、その点を証拠資料によりいかに
  立証したらよいかが問題となります。
■立証方法…証拠資料を作成すること
 その資産を有姿除却する理由を具体的で詳細に記載した稾議書
 役員会での承認を記載した議事録
 取締役会議事録 など
後で再利用できる状態ではないかと誤解を受けるリスクもあります。
適用する前には、事前に専門家に相談しましょう。