法人事業税・法人住民税法人税割の分割基準について(2) | アークス総合会計事務所のブログ

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法人事業税・法人住民税法人税割の分割基準について(2)

以前のブログでは、従業者数のみを基準として法人事業税の税額計算を紹介しました。
今回は事務所等の数と従業者数を基準とする場合について記載します。


1. 事務所等の数の意義

事務所等とは事務所又は事業所を意味し、自己所有に属するか否かに関わらず継続して事業が行われる場所をいいます。
そのため、2~3ヶ月程度の一時的な事業の用に供する目的で設けられる現場事務所や仮小屋等は入りません。

2. 事務所等の数の算定方法

3. 税額計算の流れ


Ⅰ. 会社の概要

例)A株式会社(卸売業)

・事業年度 平成25年4月1日~平成26年3月31日
・資本金  5,000千円
・所 得   36,173千円
・期末の従業員数 県内61人(総数150人)
・事務所等の数 県内36ヶ所(総数120ヶ所)

Ⅱ. 所得金額の分割

課税標準の総額の各区分に振り分け、1/2にします。

(1) 年400万円以下の金額 

従業者 400万円×1/2=2,000千円
事務所 400万円×1/2=2,000千円

(2) 年400万円を超え年800万円以下の金額

従業者 400万円×1/2=2,000千円
事務所 400万円×1/2=2,000千円

(3) 年800万円を超える金額

従業者 (所得36,173千円-4,000千円-4,000千円)×1/2=14,086千円
事務所 (所得36,173千円-4,000千円-4,000千円)×1/2=14,086千円

Ⅲ. 各分割基準で按分

・従業者数による按分

(1) 年400万円以下の金額

2,000千円÷150人×61人=813千円

(2) 年400万円を超え年800万円以下の金額

2,000千円÷150人×61人=813千円

(3) 年800万円を超える金額

14,086千円÷150人×61人=5,728千円

・事務所等の数による按分

(1) 年400万円以下の金額

2,000千円÷120ヶ所×36ヶ所=599千円

(2) 年400万円を超え年800万円以下の金額

2,000千円÷120ヶ所×36ヶ所=599千円

(3) 年800万円を超える金額

14,086千円÷120ヶ所×36ヶ所=4,225千円

・それぞれの区分について合算

(1) 従業者813千円+事務所等599千円=1,412千円
(2) 従業者813千円+事務所等599千円=1,412千円
(3) 従業者5,728千円+事務所等4,225千円=9,953千円

Ⅳ. 税額の計算

上記分割基準により算出された分割課税標準額に基づき税額計算を行います。
税率は東京都の税率より計算しております。

(1) 1,412千円×2.95%=41,600円(百円未満切り捨て)
(2) 1,412千円×4.365%=61,600円(百円未満切り捨て)
(3) 9,953千円×5.78%=575,200円(百円未満切り捨て)

41,600円+61,600円+575,200円=678,400円

4. まとめ

非製造業の法人は事務所等の数と従業者の数を基準として税額を計算します。
また、資本金が1億円を超える法人には外形標準課税が適用されるため取扱いに注意が必要です。

<参考URL>
分割基準のガイドブック 東京都主税局(PDF)