平成28年4月1日 、「地方創生応援税制」が創設されました。
この税制は皆様も馴染み深いものとなりました個人向け「ふるさと納税」の企業版です。
地方創生事業に対する企業の寄附について税額控除の優遇措置を図り、地方創生に取り組む地方を応援する制度です。
この税制により次のような効果が挙げられます。
・企業の創業地への貢献や地方創生のプロジェクトに取り組む
地方への貢献を促進
地方への貢献を促進
・地方公共団体が自らの地方創生の取組を企業にアピールすることで
自治体間競争を促進
自治体間競争を促進
・本社機能の移転促進税制の補完
・地方公共団体へ寄附をすることにより、現行の寄附金控除と合わせ
企業の税負担軽減が2倍に
企業の税負担軽減が2倍に
【制度の概要】
1.寄附の対象となる地方公共団体
地方版総合戦略を策定する地方公共団体を対象とします。
ただし、次のいずれにも該当する地方公共団体は、対象団体から除外されます。
・地方交付税の不交付団体であること
・市町村については、その全域が地方拠点強化税制の支援対象外
地域とされている団体であること
地域とされている団体であること
-埼玉県戸田市、三芳町
-千葉県市川市、浦安市
-東京都23特別区、立川市、武蔵野市、三鷹市、府中市、調布市、小金井市、国分寺市、多摩市、羽村市、瑞穂町
-神奈川県鎌倉市、藤沢市、厚木市、寒川町
2.要件
①1企業における1事業当たりの寄附額の下限額は【10万円】
②認定を受けた地域再生計画に記載された地方創生事業に対し
企業が寄附を行った場合
※ただし、企業が本社の立地する地方公共団体に寄附を行う場合は企業が寄附を行った場合
優遇措置の対象から除外されます。
③平成28年4月1日から平成32年3月31日までに寄附金を支出していること
3.優遇措置の内容
・現行の損金算入措置に加え、法人住民税、法人事業税、
法人税の税額控除の措置を創設。
法人税の税額控除の措置を創設。
・寄附額に対する控除額の割合は
法人住民税+法人事業税+法人税の合計で、寄附額の3割とします。
法人住民税+法人事業税+法人税の合計で、寄附額の3割とします。
【税目ごとの特例措置の内容】
①法人住民税…寄附額の2割を控除
②法人税…法人住民税の控除額が2割に達しない場合に限り、
残り分を控除できる(ただし、寄附額の1割が限度)
③法人事業税…寄附額の1割を控除
残り分を控除できる(ただし、寄附額の1割が限度)
③法人事業税…寄附額の1割を控除
※企業が地方公共団体に寄附する場合は、その全額が損金算入されるため
寄附額の約3割(法人実効税率)相当額の税の軽減効果がある。
・納税額に対する控除額の上限は、法人住民税20%、
法人事業税20%(※)、法人税5% となります。
法人事業税20%(※)、法人税5% となります。
(※)地方法人特別税廃止後は15%に引き下がります。
4.寄附企業に対する地方公共団体の行為の制限
地方公共団体は、寄附を行う企業に対し、寄附の代償として経済的利益を与える次のような行為を行ってなりません。
・寄附額の一部を補助金として供与すること
・入札や許認可で便宜を図ること
・有利な利率で融資すること 等
その他様々な例が挙げられますが、寄附を行う企業に有益な対価を提供する行為は地方創生応援税の目的としてそぐわないため禁止されています。
また、個人で行う「ふるさと納税」とは違い、特産品PR等の返礼品贈答は経済的利益の供与として禁止となっています。
5.おわりに
企業版ふるさと納税「地域創生応援税制」は、節税対策として新たに講じる税制とは言えません。
しかし、これまで寄附金支援活動を行ってきた企業に対して有利に働き、寄附金支援を促進させ企業イメージアップ等に大きく繋げるものとなっています。
家具大手のニトリホールディングスがこの地域創生応援税制の創生に合わせ、夕張市への総額約5億円の寄附を名乗り上げるなど各所で注目され、今後の地方活性化に繋がるひとつの柱となることでしょう。
ニトリ、夕張市に5億円寄付へ 企業版ふるさと納税で/朝日新聞
(http://www.asahi.com/articles/ASJ4N671MJ4NIIPE032.html)