複数の収入がある場合のふるさと納税の計算式② | アークス総合会計事務所のブログ

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前回のブログで所得税及び住民税におけるふるさと納税の取扱いと複数収入がある場合の所得税法上の取扱いについてご紹介いたしました。今回は、前回お伝えした内容をベースに複数の収入がある場合の計算方法の具体例をお伝えいたします。

以下の仮定で具体的に所得税及び住民税について計算してみましょう。

42歳男性
扶養者:42歳妻(所得0円)
給与の額:6,000,000円
株式の譲渡収入:11,000,000円(取得費:1,000,000円)
社会保険料:400,000円
ふるさと納税額:400,000円

1.所得税等の計算

1)各種所得の計算

給与の額:6,000,000円
給与所得控除:6,000,000円×20%+540,000円=1,740,000円
給与所得:6,000,000円ー1,740,000円=4,260,000円

株式の譲渡収入:110,000,000円
取得費:10,000,000円
譲渡所得:110,000,000円ー10,000,000円=100,000,000円

2)課税所得の計算

a)所得控除

社会保険料:400,000円
扶養控除:380,000円
基礎控除:380,000円
寄付金控除:400,000-2,000=398,000円(※)
所得
控除合計:1,588,000円

※寄附金控除額は「その年の総所得金額等の40%相当額」を上限とされます。
ここで、総所得金額等には特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額が含まれます。

b)課税所得

総所得金額:4,260,000円ー1,588,000円=2,702,000円(※)
譲渡所得:100,000,000円

※所得控除額が総所得金額から引き切れない場合は、分離短期譲渡所得金額、分離長期譲渡所得金額、分離課税の配当所得金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額、退職所得金額から順次差引きます。

3)所得税額等

所得税:2,702,000円×10%ー97,500円+100,000,000円×15%=15,172,700円
復興特別所得税:318,626円
合計額:15,172,700円+318,626円=15,491,326円→15,491,300円


2.住民税所得割額の計算

1)所得金額

104,260,000円

2)所得控除

社会保険料:400,000円
扶養控除:330,000円
基礎控除:330,000円
所得控除合計:1,060,000円

3)課税所得の計算

総所得金額:4,260,000円ー1,060,000円=3,200,000円
譲渡所得:100,000,000円

4)寄附金税額控除

基本控除額:(400,000円ー2,000円)×10%=39,800円
特例控除額:(400,000円ー2,000円)×(90%ー10,21%)=317,565円
合計:39,800円+317,565円=357,365円

5)住民税所得割額

3,200,000円×10%+100,000,000円×5%=5,320,000円
5,320,000円ー357,365円=4,962,635円→4,962,600円


3.ふるさと納税時と通常の比較

上記の仮定の計算詳細は下記の通りです。

前回、今回と複数の収入がある場合のふるさと納税について書きました。

ポイントは、複数の所得がある場合でも、その所得金額が所得税における寄附金控除の限度額計算上の総所得金額に含まれる点です。その分控除が受けられる限度額が上がりますので、こちらを考慮に入れてふるさと納税を考えてみてください。