経営革新等支援機関について | アークス総合会計事務所のブログ

アークス総合会計事務所のブログ

ブログの説明を入力します。

2012年8月に「中小企業経営力強化支援法」が施行されました。
この法律において、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が創設されました。

また、この法律は「金融円滑化法」の出口戦略としての意味合いをもちます。金融円滑化法は中小企業の資金繰り悪化を食い止めるための手立てとしての法律です。
この法律はあくまで次元立法だったので2013年3月に役割を終えた後、中小企業の返済猶予を認める法的根拠が失われてしまい、貸し渋りや貸し剥がしに対する懸念が広がりました。
そうした不安を和らげるために金融庁は大臣談話を公表して「貸付条件の変更や円滑な資金供給に務める」というスタンスを示しました。
そして、今回の法律においてこれまでの中小企業の資金繰り悪化を食い止める手立てを講じるというスタンスから一歩進み、経営改善を通じた中小企業の再生支援に軸足を移したと言えます。

1.認定支援機関の役割

(1) 経営状態の「見える化」

財務状況、財務内容、経営状況を中心に企業の現状把握に関する調査・分析を行います。

(2)事業計画等の作成

経営状況の分析から事業計画等の策定・実行支援を行います。
また、継続的な経営支援を行います。

(3)販路拡大等の助言

経営革新等支援機関のネットワークを活用して、新たな取引先の増加や販売の拡大に向けての助言を行います。

(4)専門的課題の解決

企業が抱える課題に対して最適な専門家が経営革新等支援機関と一体になって支援を行います。

(5)金融機関との関係の改善

計算書類の信頼性を向上させ、資金調達力の強化に繋げます。

つまり、経営革新等支援機関は企業の現状分析を行い、その結果から事業計画等を作成します。
作成した事業計画等に基いて課題の解決や各種助言を行なっていきます。
また、専門家からの助言に基いて計算書類を作成することで金融機関からの信頼性も向上します。

2.経営革新等支援機関を利用するメリット

(1)支援ネットワークの構築

既存の中小企業支援者に加え、金融機関、税理士法人等の支援事業を行う者を認定することで、支援の担い手の多様化・活性化を図るとともに、
知識や経験のある専門家を活用し、中小企業に対してチームとして専門性の高い支援を行うための体制を整備します。

(2)経営革新等支援機関への支援措置

技術、知財管理、海外展開等をはじめ様々な分野について、メーカーや商社等の企業実務経験者等の専門家を中小機構から派遣します。
また、金融機関等が資金の貸付を行う際の信用保証について、当該金融機関等の経営支援によるリスク低減に応じて保証料が減額される仕組みを構築します。

(3)その他

関東経済産業局では、経営革新計画の承認を受けると、以下のような各種の支援策を利用できます。

1) 政府系金融機関による低利融資制度
2) 信用保証の特例
3) 課税の特例(設備投資減税)
4) 特許料などの減免措置
5) 中小企業総合展
6) 販路開拓コーディネート事業

3.経営革新等支援機関による経営改善計画策定支援事業について

(1)概要

借入金の返済負担等、財務上の問題を抱えていて、金融支援が必要な中小企業・小規模事業者の多くは、自ら経営改善計画等を策定することが難しい状況です。
こうした中小企業・小規模事業者を対象として、中小企業経営力強化支援法に基づき認定された経営革新等支援機関が中小企業・小規模事業者 の依頼を受けて経営改善計画などの策定支援を行うことにより、中小企業・小規模事業者の経営改善を促進します。

(2)費用について

 一定の要件の下、認定支援機関が経営改善計画の策定を支援し、中小企業・小規模事業者が認定支援機関に対し負担する経営改善計画策定支援に要する計画策定費用及び フォローアップ費用の総額について、経営改善支援センターが、3分の2(上限200万円)の助成を受けられます。

(3)経営改善計画とは

自社の経営状態を改善する方法について、具体的な数値で計画した書類をさします。
しかし、内容によっていくつかの種類に分類できます。

1)金融機関への経営改善計画
2)中小企業再生への経営改善計画
3)実現可能性の高い抜本的な経営改善計画
4)各金融機関別返済計画

これらのうち、3)については金融機関など関係者全員の同意が必要、計画を越える追加的な支援額が発生しない、そして売上高や利益の予測が十分保守的であるなどの要件があるため作成するには難しい計画となります。

ですので、1)や2)の計画書の作成を目指すのが現実的だと思われます。

参考URL