若きウェルテルの悩み (岩波文庫)/ゲーテ
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一回脇道にそれましたが、積読本の山からゲーテが消えるまで、またゲーテを続けるぜぇ。古典は人気がないけどだぜ。ワイルドだろ~?
ということで『若きウェルテルの悩み』を読みました。再読なのですが、記憶とは異なるストーリーで、驚いてしまいました。まあ、良くあることなんですけどね(笑)
『若きウェルテルの悩み』は、ゲーテの作品の中では、『ファウスト』と並んで最も有名なものだと思います。恋愛小説や青春小説の古典として取り上げられることも多い作品です。
『若きウェルテルの悩み』は、「第一巻」、「第二巻」、「編者より読者へ」という3部で構成されていて、「第一巻」と「第二巻」は書簡体小説、つまり手紙形式の小説になっています。
ウェルテルは学識もあるのですが、本分としては、「あなたは何事にでも熱中しすぎます(P59)」なんて言われたりもする感情的なロマンチストです。「第一巻」と「第二巻」は、そんなウェルテルがその友人のウィルヘルムに手紙で自分の心情を伝えるものになっています。
「第一巻」では、ウェルテルがロッテという婚約済みの女性に出会い恋をしてしまいます。ウェルテルは、初めのうちはロッテに婚約者がいることをあまり気にしません。自分が恋しているというだけで幸せを感じています。それが徐々に婚約者の存在が気になりだし、恋の喜びが苦悩に変わっていき、「第二巻」になると、ウェルテルの苦悩や絶望感がひしひしと伝わる手紙になっていきます。タイトルの「悩み」という語感が軽く思えるほど、見ていて(読んでいて)痛々しい感じです。
そして「編者より読者へ」になると、三人称に代わって、今までの経過とその後が別の角度から描写されることになります。
「第一巻」と「第二巻」におけるウェルテルの心情告白が取り立たされる感もあるのですが、個人的には「編者より読者へ」が本作を名作にしているような気がするんですよね。
ということでまだ読んでいない人は、最後までじっくり読んでみてください。「第一巻」辺りが肌に合わなくても(私もウェルテルのハイテンションぶりにはちょっと引いた)最後まで読めば感動が待っていると思います。