序章 狂気は春と共に



「今日もまた…3人も…。」
「…はい。」
「私が葬っておく。貴方は戻って。」
「しかし、幽々子様…」
「良いのよ。私がすべき事なんだから。
 妖忌に全て任せるわけにも行かないでしょう?」
若い女性と、年を重ねた男性の2人。
理由あって、動物すら立ち入るのが困難な、
人目につかない山の深みに、ひっそりと暮らしている。
にもかかわらず、1日に3人もの客を迎え、
その3人共が命を落とすという、異常な空気。
山に負けて力尽きたのではない。3人共、自尽したという。
幽々子の瞳は、重く悲しい光を帯びていた。
「この季節は、毎年憂鬱でございますね…。」
「…慣れないものね。何年経っても。」
気は慣れずとも、身体は慣れていくのか。
幽々子は、手早く屍を葬していく。
幽々子に仕える妖忌は、その様を見ながら庭掃除を進める。


この様子を、少し離れた所から見ている者が3人。
「ふ~ん、なるほどねぇ。そういう事だったのね…。
 随分とおかしなペースで、あの世が賑やかになると思ったら。」
「しかし、あの桜も人間2人も、簡単に処理は出来ませんね…。」
「そうねぇ…。」
「え、切っちゃうんですか? あの桜の木…。」
「橙、世の中に意味の無いモノは無い。
 その力が大きいほど、失った時に崩れるバランスが大きい。
 あれほどの大木を、簡単に切るわけにはいかない…。」
「そうなんですね…。」
「そう。そうなのよ…。藍、私が何とかする。
 暫く空けるわ。貴方に預けるわよ。」
「はい。…紫様、どうか深入りされませんよう。」
「あらぁ、そんな心配は必要ないわよ。
 深みと浅瀬の境界なんて、あやふやなものだし。」
紫の表情は、いつもと変わりなかった。
にもかかわらず、何か変な胸騒ぎを覚える藍。
妖怪もまた、狂おしい美しさには惑わされるものなのか…。











東方妖想尽 外伝  ~まどわしの桜は2度散る~




山の奥深く、普通ならば誰も立ち入る事の無い、
道すらまともに通っていないような場所。


山は、遠くから眺めてこそ美しい。
富士に上れば、富士の美しさを見る事は適わない。


しかし、立ち入る事が困難であれども、
その山の1つ1つを彩る、各要素。


その1つ1つは山に立ち入らなければ、
より詳細に、より美しく見ることは出来ない。


山に入る危険を冒してまで見たくなるほど、
怪しく美しい光を放つ桜の木。


本当に危険なのは、山か桜か、人の狂気か…。


今日も桜は、紅い墨で鮮やかに染まる。
そう。眩暈がするほど、鮮やかに…。











では、1つ1つのバトルについて、いくつか。




個人的には、妖夢vs咲夜が一番気に入っています。
妖夢のスペルカード、どう表現するか、相当悩みました。
5ボスは文章化する上で泣かされるヤツが多いです。
剣気、という解釈で、とりあえず形を繕いましたが、
最近The Grimoire of Marisaで説明されちゃってましたね。
出版前に書いた、て事でご容赦下さいませ…。
しかし、咲夜さんは本当にエネミーブレイカーだと思う。
いつだったか、和月先生が似たような事書いてたんですよ。
斉藤は、敵を弱く見せてしまう、とか。そんな感じ。


あとは、幽々子戦ですかね。
妖想尽は、幽々子が全てであるべき、
という理念の下に作っていたので、
このバトルに力の大半を注ぎこみました。
…それでこの程度なんですから、残念です。
幽々子の力は、直接命を奪う感じがありますよね。
それって、スペルカードルールから逸脱してる気がするんですよ。
だから、あくまでもアレは、反魂の儀式としました。
霊マリと争ってる気は、幽々子には全く無い。
儀式を進めるのに、勝手に乱入してきただけ。
だから、反魂蝶とか飛ばしても大丈夫だったわけで。


藍戦の咲夜さんは、もうボロボロでしたね…。
あれはもう、なんと言うか、最初はもっと酷かったんですよw
咲夜さんのモチベーションは、あくまでもレミリアなわけで、
実を言うと、あんまりそこに直結してない動機かな、と。
少々寒かろうが、屋外なんてあんまり行かないし、お嬢様。
て事は、結局自分か美鈴くらいの為でしかない。
もっとお嬢様直結の動機なら、もしかしたら…。
いや、無いなwww
対して藍は、橙の件があるので殺る気満々というwww


紫戦において、どうやって紫に本気出してもらうか、悩みました。
まあ、シンプルに幽々子へのモチベーションで良いのかなぁ、と。
それでも、アレが本気かどうか、筆者も良く判りません。
紫に、霊マリを殺る気があったか否か、についてですが…。
結論だけ言えば、殺る気は満々でした。
ただし、それが結果に伴うか否か、はまた別の話。
その辺を紫がどう考えていたかは、皆様のご想像にお任せします。
救援に入ったアリスは、少し格好良くし過ぎた気がする;
まあ、Exの力は持ってるわけですから、アレくらいあっても…。
相手はPhなわけですがw


全国のプリズムリバーファンの皆様。
ここで彼女らに触れるのは、一旦置いておきます。
それが何故かは、今後判っていただけるかと思います。




さてさて。この後、妖想尽の外伝の公開に入ります。
現時点で、紙の原稿としては、
永夜抄のお話も完成しております。
また、単発の作品が複数完成していたりします。


これからは順次公開していけるかと思いますので、
見捨てずに待っていて下さった方がいらっしゃれば、
また思い出した時にでも覗きに来てやってください。


それでは、またお会い出来たらお会いしましょう~。