ふと道端にセグロアシナガバチが数匹しんでいた。
背中に特徴のある二本の線が入っているのがセグロアシナガバチ。
他にもオスバチも多く死んでいた。
これがオス。やや顔が白く、交尾以外は何もしない。針も持っておらず、巣から移動するのは晩秋の新女王蜂を探す時だけ。
あちこち探すと10匹ほどいた。
これほど大量に死んでいるのは見たことがない。
業者に巣ごと駆除されたのか、この暑さに耐えきれず餌不足により死んでしまったのか。
今年はハチが餌不足によりかなり数が少ない。
腹部がやや痩せている印象。
驚いたことに1匹の働きバチは微かに生きていた。
口に僅かに集めてきたのか、水滴を決して離さないまま、やがて死んでいった。
暑くなるとハチは巣を冷やすために水を集めてくる。
連日の暑さで雨も降らず、よろよろ飛ぶ姿を見かけていたがやはり虚しい。
せっかくオスバチまで生まれたのに。
気候変動は思った以上に昆虫たちに悪影響を与えている。
この亡骸はせめて弔うことしか出来ない。
命は呆気ない。だからこそもう二度と飛ぶことのないセグロアシナガバチの死骸に一抹の寂しさを感じた。