アメリカ独立戦争が終わり、1787年に合衆国憲法が制定される過程で、「民主共和党」と呼ばれる政党が結成された。これが現在の民主党の始めだ。共和党 はそれより約半世紀後の1854年に結成される。個別救済を主眼とした民主党と比べ、国家への全体観をもちそれを構造的に考える共和党は、国難に遭遇した 場合、その力を発揮し危機を回避してきた。

バプティスト派をはじめとする宗教右翼は、1970年代後半から急速に勢力を拡大し、1980年代には、諸宗派とともに一大勢力となった。いまや宗教右翼 を抜きにしては大統領選は戦えないと言われる。その宗教右翼は、バプティスト派と同じように共和党との結びつきが非常に強い。主流派は教理の一致で教団を 統率することを、聖書解釈よりも優先するが、バプティスト派は、あくまでも聖書に書かれている内容に忠実であろうとする。

アメリカ人は、子供の頃は親に何かしらの教会に連れて行かれる。
それが6Th Gradeあたりから段々行かなくなる。だが、自分が成人して家庭を持ち、子供が出来ると自分が親に受けた教育を子供にも実践しようと、同じ様に子供を教 会に連れて行くようになる。そしてアメリカの過半数の州立学校ではダーウィンの進化論を教えない。この世界は「神」によって創造され、「人」もまた神によ る創造物の一つだという考えである。この考えは特にアメリカ南部では殆ど全域と言っていい程徹底されている。これらプロテスタントの中でもアメリカの南部に根強く勢力を誇 るのはバプティスト派。メソジスト派はブッシュ大統領が所属する宗派でもある。ブッシュ大統領は40歳でブッシュ家代々のエピスコパル派(監督教会)から 夫人の信じるメソジスト派に改宗した。どちらもプロテスタントで、英国教会の流れを汲むアメリカの代表的な宗派だが、メソジストの教義には特徴がある。

メソジストは「人間は罪深いもの」として「悔い改め」を強調する。「罪」と「悔い改め」はキリスト教の全宗派に共通する基本だが、メソジストではこの点が 他宗派以上に重視され、教義の中心に置かれている。さらに重要なのは、人間の生活の目的は神の意思を実践することであるとして、具体的な社会行動を求めて いることだ。そのことにより、人は自分が救われることを確信する。つまり、神を信じて罪を悔い、自分の信じる善を積極的に行うことが、正しい信者の生き方 であり、それを怠ると、救われると確信することができない。ブッシュが40歳を過ぎ、それまでの彼とは別人のように仕事や政治に積極的になったのも、こう した教えを考えると腑に落ちる。

それから自分が他の歴代大統領と比べて、大統領としての資質に欠ける事も、自身で自覚しているようにも思える。その思いが強い為に、自分の信じる神の教えにより忠実である事を強く望んでいるような気がする。

イラクにアメリカが侵攻した理由を、Michael Mooreの様にオイル・マネーの為とする人も居れば、正義の為と結論付ける人も居る。その真相ははっきりとしていない。、自分もその真相をここではっき りと言及するのは避けるが、ただ、なぜアメリカがイスラエルを過保護するのかは自分なりの見解がある。それはアメリカのユダヤ人協会が毎年民主・共和の両党に莫大な寄付をする からでは無い。もっと根本的なものだと考える。

聖書は前半旧約と後半新約の二つの経典からなる。新約はもちろんキリスト教の経典、旧約はユダヤ人・ユダヤ教の経典である。聖書の中でもその2つの異なる 宗教の位置づけがはっきりしている。イスラエルが中東で異教のアラブ国家に滅亡させられキリスト教の聖地であるエルサレムがアラブ人の手に渡る事は、ユダ ヤ教の流れを汲むキリスト教を信奉する宗教国家アメリカにとってあってはならない事なのである。そしてまた聖書の歴史を汚す事や聖書の内容を脅かすような 事はあってはならない事なのである。イスラエルとユダヤ教は、キリスト教を正当化する為その存在が無くてはならないものなのだと自分は考える。


この国の政治機構を語る上で良く耳にするのが「南部政策」だ。大統領選では、ビッグ4と呼ばれるカリフォルニア、ニューヨーク、フロリダ、テキサスの選挙 人(Electral Vote)を取ることが戦略上重要とされるが、もう一つの要は、保守的で変化を求めず、宗教右派と理念・思想で結びつくアメリカ人の本音を実践した生き方 を続ける、この南部をどう抑えるかなのである。

Peace