宇野千代さんの
「生きて行く私」を読みました
なんとなく興味はあったものの
読む機会を逃していたところへ
定期便でこの本が届いて
まさにベストタイミング
作者の「自伝的小説」
ということですが
小説というよりはむしろ
エッセイのようでもあり
とても読みやすかったです
宇野千代さんと言えば
数多くの男性遍歴で
よく知られており
本の中でも赤裸々に(?)
綴られていますが
あまりにあっけらかんと
しているため
下世話な印象は全くなく
アヴァンギャルド
とでも言うのでしょうか
やることなすこと何もかも
ぶっ飛びすぎていて
凡人にはもはや
感想すら出ません
一番驚いたのは
札幌に夫を残し
所用で上京した際
尾崎士郎と深い中になり
札幌には帰らずそのまま
東京で尾崎と同棲してしまった
というエピソード
↑そんなことって
ありえるんですか?(苦笑)
尾崎士郎然り
梶井基次郎や東郷青児など
関わる人たちが
とにかく豪華そのもの
ちなみに最後の夫となった
北原武夫との結婚は
藤田嗣治と吉屋信子が
媒酌人だったそうです
もちろん色恋沙汰
ばかりではなく
行きたい所へ行く
したいことをする
会いたい人に会いに行く
と電波少年を地で行くような
とてもエネルギッシュで
桁違いの豪快な人生を
送った方だったのですね
「元祖肉食系女子」などと
称されたりもするようですが
そんな安っぽい言葉では
とても表しきれません
いくつになっても
思い立ったら即行動
そして結果はどうあれ
クヨクヨ思い悩んだり
言い訳しないところや
自分にとって楽しくない
嫌なことはすぐ忘れる
などなど見習いたいと
思うところも多いです
何かとめんどくさい
世知辛い世の中だからこそ
こういう女性が
いたんだなということに
とても元気づけられます
ご自身も気に入っていると
おっしゃっている通り
「生きて行く私」という
タイトルも素敵ですね