BOOK OF THE いちばん星 ウサギ釣り 2015


Arika003ss.png ≪少年・青年コミック・うろこ編≫


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 四月は君の嘘(全11巻)/新川直司(著)

四月は君の嘘(1) (月刊少年マガジンコミックス)/新川直司

¥価格不明
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母の死でピアノが弾けなくなった公生。

ヴァイオリニストのかをりと出会い再び音楽と向き合うが、彼女は重い病を患っていた。

コンクール前日、手術を受け・・・・・。

ArikaかぜちゃんPC3 見えないはずの音が見える綺麗で切なくて優しい素敵な青春漫画。
堂々たる完結。最終話の手紙で語られるタイトルに秘められた秘密とも言える「嘘」が良かった。最終話は泣き通しでしたが、最後のかをりちゃんの宝物の写真で更にダメ…何度読んでも涙止まらんわ………>_<… 涙なしには読めない。完膚なきまでに叩きのめされて泣きました。病院でかをりちゃんと公生が誓い合い、でも微かな望みすら届かずに終わってしまった一連の流れが公生のコンクールでのピアノを通じてあまりにも美しく、情熱と悲哀に満ちた景色で彩られていました。本当に舞台で一緒に演奏したのはたった一度だけれど、ずっとずっとかをりちゃんは公生の中で寄り添い、輝いていてくれるのでしょう。小説で出ているアナザーストーリー?も気になってきました。私が読んだ数少ない恋愛漫画中で一番は『めぞん一刻』だと思っていますが、悲劇では一番の名作だと思いました。 また最初から読み返したい優しくて愛しい一瞬のお話でした。






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 恋は雨上がりのように (1~4巻)/眉月じゅん(著)

恋は雨上がりのように 1 (ビッグコミックス)/小学館

¥596
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高校2年生の橘あきらが想いを寄せているのは、バイト先のファミレス店長。

バイト仲間の女子からは相手にされていないが、あきらは今日も店長を見つめている。

そんなある日、あきらは思わず店長に告白してしまい・・・・。

ArikaかぜちゃんPC3 17歳の少女が恋したのは45歳のファミレス店長!
28歳の年齢差を軽々と飛び越えるまっすぐなド直球の純愛路線に胸をズキューンとさせられる。無愛想で何を考えているのかわからないあきらが店長のことになるになると、とたんに表情が豊かになる。その可愛さたるやまさに殺人的萌え! 一方、店長はバツイチで、加齢臭もキツくなってきた冴えないオヤジ。そんなオヤジをなぜあきらが好きになったのか? 2人がつなぐキーになったのは雨だった。その叙情的な演出の数々に、思わず引きこまれた。著者の眉月じゅんは少女誌出身。だからして少女マンガ成分が強めだが、あきらの心情をモノローグで表すことはほとんどない。あきらの純粋さに触れ、思わず高校時代に思いはタイムスリップした店長。しかしそれもつかの間、彼女が「店長! 勇斗くん元気ですか?」と息子の名を口にした途端、現実に引きずり戻される。その際の店長視点の切なすぎる夢想と現実。なんとも言えない複雑な心境を、セリフを排して伝えるマンガならではの表現力にただただ感服。若さと純粋さを、ただただ眩しく感じていた店長が、あきらの想いを今後どのようなかたちで受け止めるのか・・・。きっと最後までやきもきしつつ、見守らざるをえないのだろう。






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 ばらかもん (1~12巻)/ヨシノサツキ(著)

ばらかもん 12巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)/スクウェア・エニックス

¥価格不明
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日本の西端の島に暮らすイケメン書道家・半田清舟。

12巻では、島にクリスマスがやって来る。

清舟は、なるたちのために初めてサンタクロース業に挑戦!

ArikaかぜちゃんPC3 クリスマスのお話にジーンときた!
12巻で、さらっと父登場。アニメなんかはBGMとかの演出で割りとすぐ泣けるんだけど、幼子と父親っていう組み合わせのマンガで涙腺を刺激させられたのは久しぶりでした。「~なんて別に欲しくない」の所でもう涙がホロホロです。今回はもう何て言うか…『喜ばないと もう来てくれないんだよ』って言葉に心臓がえぐられる気分だった。いつもニコニコして元気ななるが、涙を浮かべながら呟いた本心が寂しすぎて…。来年も来てほしいと子供らしく切なく願うなると、その後の半田先生の励ましにジーンとして小さいながらになるも色々思っていたことを知り、不覚にも泣いてしまいました。先生が隣に居てくれて本当に良かった。血の繋がりだけが家族ではないと、私は思ってますよ。 ただシリアスなところはもう少し丁寧な絵柄が良いな。また東野がダッシュと別人だということに衝撃を受けました(笑)。ダッシュ東野改めマッシュ東野は意外にいい人だな…。クリスマスにサンタさん、大みそか。先生がだんだん小学生化してる気がする。ヒロシの合格、そして次号はなる東京デビューらしい。 とりあえず、こんな年越しをしたいと思った。




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 波よ聞いてくれ(1巻)/沙村広明(著)

波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)/講談社

¥637
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札幌に住む25歳のスープカレー屋定員・鼓田ミナレ。

酒場で隣になったヒゲにした失恋話のクダを巻いていたら、なんでかラジオに流れて、DJデビュー。

カレー屋はクビになるわ、男に貢いで金はないわ、ヒゲには「ラジオにこい」とか言われるわで、ミナレはどうなる!?

奇才が放つサッポロ電波系(!)恋唄

ArikaかぜちゃんPC3 残念女子の恨みつらみが電波にのって響きわたる!
札幌に住む25歳のスープカレー屋定員・鼓田ミナレは、いろいろと崖っぷち。酒場で酒に呑まれてクダ巻いて、ヒゲこと藻岩山ラジオ局のチーフディレクター・麻藤にダマされ、イキオイあまってまさかのDJデビュー。という展開で幕を開けたサッポロ電波系(!)恋唄。とはいえ、初っ端から男にフラれたところから始まっているので恋愛成分はとても薄味…。これからどう転がるか、行き先は風の吹くままならぬ波に聞いてくれって具合に、本当に先が読めないが、主人公のミナレをはじめ、スープ屋のギャロ目の店長といい、ミナレをラジオへ誘った胡散臭いヒゲのMRS(藻岩山ラジオ)の麻藤といい、登場人物がどいつもクセがありすぎて目が離せない! みんなワケあり感満載で変人はてんこ盛りっぽいけど・・・・。ミナレのキャラもとても愛おしいし、言葉のセンスがすごくいい。鼓田ミナレ、いったいどうなるの? 早く続きが読みたい!!と強く思わせる。





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 コウノドリ(1~12巻) /鈴ノ木ユウ(著)

コウノドリ(1) (モーニングコミックス)/鈴ノ木ユウ

¥価格不明
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鴻鳥サクラは、天才ピアニスト「ベイビー」にして産科医。

「未受診妊婦」「無脳症」「切迫流産」「人工妊娠中絶」「夫のDV」など、産科のリアルな現状とさまざまな出産ドラマを濃密に描く!

テーマごとに2話から4話で描かれることが多い。

ArikaかぜちゃんPC3 年間約100万人の新しい命が誕生する現場の人間ドラマ!!
出産は病気ではない。だから通常の出産に保険はきかない。産科医療は怪我や病気を治す訳ではない。なので通常の出産に産科医は必要ない。だが、何かが起こりうるから産科医は必要なのだ──。妊娠したら、赤ちゃんは当然のごとく産まれるものだと思っていた。出産は死のリスクと隣り合わせ、本当に「出産は奇跡」。とても素敵な作品。妊婦と医療関係者、両方の心も描いていて涙が止まらない。ミュージシャンだった著者が子供が産まれたことを契機に漫画家になったという経緯はこの漫画を象徴しているようにも思う。2000件の出産のなかで300件は危険と隣り合わせと数字で語られてもインパクトがあるが、漫画として臨場感溢れるかたちで2000件のひとつひとつが当事者にとっては人生すべてなのだと示されて本当に実感をもち産婦人科が大切な仕事だと感じる。次巻を重ねるごとにさらに一歩踏み込んだ内容で読みごたえがある。