SMILE-UP.は、被害を申告する人たちに専門家によるカウンセリングを提供し、その費用を負担している。

「それは無期限にやろうと思っています」と、東山氏は述べた。

東山社長はアザー記者の数々の質問に答えた
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アザー記者は東山社長にサバイバーへの補償やオンラインでの誹謗中傷など、多岐にわたる質問をした

BBCの昨年の報道を受けて、日本の大衆文化における喜多川氏の評価は国民の意識の中で、大きく変わった。

岸田文雄首相に対しては、性的虐待にかかわる法制を改革するよう、圧力が高まっている。

日本では昨年6月、性交同意年齢を引き上げる刑法改正案が成立した。2019年に、性犯罪で起訴された被告人に対する裁判所の無罪判決が相次ぎ、世間で怒りの声が噴出したことが、その原動力となった。

さらに昨年、喜多川氏の行動についての報道があり、国民的な議論が続いた結果、自分が受けた被害について多くの男性が公に語るようになった。

それでも虐待サバイバーの中には、自分が体験を証言したにもかかわらず、正義は依然としてなかなか実現されないと考える人もいる。

二本樹氏は、虐待サバイバーが区切りを得るための支援が必要だと考えている。そして、ジャニーズ事務所の後継会社SMILE-Up.は、まだこれを実現できていないと。

「責任をとってもらいたい。日本の戦後で、最大の性暴力事件だと思う。一時的な問題だったかのように、このまま薄れていくことなど、あってはならない。これは、日本の歴史の一部として刻み付けることが大事だ」

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アザー記者が新たに取材した番組「捕食者の影 ジャニーズ解体のその後」は、BBCニュースチャンネルで3月30日(土)午後12:30より日本を含む世界で放送されます。

なお、東山社長とアザー記者の、約30分におよぶインタビューの動画は後日、別途掲載します。

この記事の内容に影響を受けた方に、BBCはイギリス内での相談先を紹介しています(英語)。

また、日本の内閣府が、性犯罪・性暴力相談の相談先をこちらで紹介しています。