天皇の料理番[上] | 雑読日記

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読んだ本の感想など

杉森久英「天皇の料理番」上巻です。
単行本が1979年刊で、1980年、1993年、
2015年と3回もドラマ化されているようなので
ご存じの方も多いのでしょうか。

大正から昭和にかけて、宮内省の主厨長という
料理部門の職人長というべき役を務めた
秋山徳蔵をモデルにした伝記小説です。
作中では篤蔵と表記されています。

上巻は郷里の福井で料理に目覚めてから、
東京に出て精養軒に勤めるまでを描きます。

時代が時代だけに乱暴な描写も目立ちますが、
そこはあまり口うるさく言っても仕方ないところ。
パワフルな明治男の物語と割り切るべし。

なんだかんだとトラブルを起こしつつも
自分の望む道を進むために努力を惜しまない姿勢は
いまの時代でも見習うべき姿ですね。