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今回は少し大がかりな教材です。次回、お伝えする伝導路模型の前に読んでもらえると、理解しやすいかと思います。以前にも伝導路模型を載せさせていただいていますが、以前のものより内容を詳しく、頑丈に作成しました。
上図は上から、大脳・中脳・延髄・脊髄の断面を階層的に並べた模型です。大脳のみ前額面、ほかは水平面を表しています。中心部にある筒(ラップフィルムの芯)を外すと、ひとつひとつが外れる仕組みになっています。
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まずは脊髄の水平面です(画像の下が前、上が後ろ)。長さ約40cm、太さ1cm前後の円柱形をした神経です。実際の体では、脊柱管の中に収まっています。
断面を見ると、前面と後面の正中に前正中裂、後正中溝という溝が存在します。また、外側からは神経線維の束が出ており、それが数本ずつ集まり、前根と後根をつくっています。
前根と後根は1本に合して、脊髄神経となり椎間孔を出ます。後根には脊髄神経節という神経細胞の集まりが存在します。前根・後根・脊髄神経節は中枢神経系に属します。
また、脊髄は中心部が灰白質(細胞体が集まる領域)、周辺部が白質(神経線維が集まる領域)でできています。この模型では、茶色で表している部が灰白質部分、ベージュで表している部分が白質ということです。触り心地も区別できるよう工夫しました。
灰白質はHに似た形をしており、前方の突出部を前角、後方の突出部を後角といいます。
白質部で、前正中裂と前角の間にある部を前索、後角と後正中溝の間にある部を後索といいます。
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次に延髄の水平面です(画像の下が前、上が後ろ)。長さ3cmで円柱形をしていますが、上に行くに従い太くなります。脊髄と同じく、前面正中に前正中裂があり、その両側には錐体という細長い隆起があります。錐体を随意運動の伝導路が通ります。
延髄下部後側には後索核があり、ここで感覚の伝導路がニューロンを中継します。
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次に中脳の水平面です(画像の下が前、上が後ろ)。
中脳は橋の前方に続く細い部で、後面と外側面は大脳半球に覆われます。前から①大脳脚  ②被蓋  ③中脳水道  ④四丘体(中脳蓋)に分かれます。
前方にある大脳脚を随意運動の伝導路が通ります。被蓋には、さまざまな神経核(赤核・黒質)が位置しています。これらは不随意運動の伝導路が通ります。黒質が障害されると、筋の緊張に異常が起こり、パーキンソン病になります。四丘体には上丘、下丘と呼ばれる丸い隆起が左右1対ずつ見られ、上丘は視覚の反射運動、下丘は聴覚の反射運動に関わります。
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そして一番上部に位置する大脳です(画像の上が上、下が下)。大脳は皮質が灰白質、髄質が白質でできていますが、白質の中には大脳基底核という灰白質の部分も存在しています。
前額面なので、左右の大脳半球にはさまれて間脳があります。間脳は視床と視床下部からなります。
視床の周囲には大脳基底核があります。視床と大脳基底核の間には内包という部があり、ここを随意運動の伝導路が通ります。
延髄にある第4脳室、中脳にある中脳水道、大脳にある側脳室は脳室系といわれる部で、内部は脳脊髄液で満たされています。脳室系については別の模型で詳しく紹介しています。
↓そちらも参考にしてください↓