脳室系と脳脊髄液の流れを表した教材です。
頭から体幹までの前頭断面で、一番外層にある白い縁どりは脳と脊髄の硬膜を、中心部にある複雑な形は脳と脊髄を、水色の部分は脳脊髄液が存在している部位を表しています。
①側脳室(2つ)
②第3脳室
③第4脳室
④室間孔
⑤中脳水道
⑥脊髄中心管
で構成されています。
大脳の深部で前後に長く伸びるアーチ状の部屋を「側脳室」といい、左右に存在します。間脳の間にある部屋を「第3脳室」といいます。側脳室と第3脳室を連絡しているのが「室間孔」です。
延髄・橋・小脳に囲まれた部屋を「第4脳室」といいます。第3脳室と第4脳室を連絡しているのが「中脳水道」です。
第4脳室の下端が細くなり、脊髄内を下降したものを「脊髄中心管」といいます。中心管は一般的に加齢により閉鎖します。
脳室系の中は脳脊髄液で満たされています。脳脊髄液は側脳室・第3脳室・第4脳室にある脈絡叢(上図の黄色の部分)でつくられます(実際には、側脳室の脈絡叢と第3脳室の脈絡叢は連続して存在しています)。
第4脳室には3ヶ所、クモ膜下腔と通じる孔があります(正中口・左右の外側口)。脳脊髄液はこの孔を通って、クモ膜下腔へと流れて行きます。
クモ膜顆粒(赤い球の部分)を介して硬膜静脈洞に吸収されます。クモ膜顆粒は硬膜静脈洞(上矢状静脈洞)にイボ状に突出し、脳脊髄液を静脈血中に排出しています。
◇あとがき◇
今回も厚紙とスチレンボードが材料の低コスト教材ができました。スチレンボードは100均で購入可能ですし、カッターでキレイに切れるため使い勝手が良いです。しかし、厚紙とスチレンボードを貼り付けると反り返ることを知らず、今回の教材は少し反り返りのあるものになってしまいました。パッと見たときに形のイメージが湧きにくかったため、補助的に墨字と点字の名前も貼り付けておきました。