アスペルガーの仕事ぶりを見ていると、
「えっ、なぜ今それ?」
というような行動をとることがあります。
極端な話をすれば、これからお客にラーメンを出さねばならないのに、なぜか皿洗いを始めるというトンチンカンなことをしてしまうのです。
「そんな馬鹿な・・」
と思うかもしれませんが、アスペルガーなら十分にありえるのです。
すべてのアスペルガーとは言い切れませんが、そのようなアスペルガーはいます。
なぜこのようなことが起こるかというと、この世は「時間」と「空間」と「物質」から成り立っていますが、アスペルガーはこの把握がうまくできないからです。
たとえばそこの会社に入って、先輩から月曜日はこのようにしてくださいと教わり、火曜日はこのようにしてくださいと教わったときに、月曜日にやることと火曜日にやることがごちゃまぜになり、月曜日にすべきことを火曜日にやってしまったりするのです。
あとはアスペルガーの仕事は杓子定規ですから、臨機応変に対応できないということもあります。
あとはアスペルガーが持つ「こだわり」から自分流でしか行動できないというのもあります。
「気になることがあるとそれをやらずにはいられない」という特性も関係するでしょう。
「いくらなんでもラーメンを出さねばならない時に皿洗いを始めるなんてないでしょ?」
と思うかもしれませんが、それが「アスペルガー」というものなのです。
アスペルガーには「人の気持」がわからないという特性がありそれが関係しています。
あくまでも自分中心の思考であり、なんらかの理由により頭が混乱したときには皿洗いを始めてしまうのです。
「なんらかの理由」というのはたとえば上司や先輩から仕事について怒られたときです。
こういう時にアスペルガー者はなぜ怒られたのかをすぐに把握できないのです。
すると思考過程が狂ってしまい、とんでもない言動・行動をとってしまうのです。
もう一つ例を挙げておきます。
先輩が人手が足りなくて困っているときにAくんに
「手伝って」
と言ったところ、Aくんは
「今僕はやっていることがあります。それを終わらせてからにしてください」
と言いました。
しかし、Aくんがやっていたことは今やる必要のない仕事だったのです。
今やる必要のない仕事なのなら、「先輩の仕事を手伝えばいいじゃないか」と思うかもしれませんが、(一部の)アスペルガー者はそれをすることができないのです。
人の事情はともかく、自分のやるべきことをやってしまわないと気がすまないのです。
このように、仕事において、不可解な行動をとる人間も、アスペルガーを理解することで納得できることもあります。