私は本来
頑張れるタイプの人間ではないので
我武者羅な事をすると直ぐに体調不良に見舞われる…
当然、
そんな日の朝はベッドからなかなか抜け出せない。
それでも這いつくばって
(子供達のランチをこしらえなくては…)
とキッチンへ行くと_____
香しい珈琲の匂いがキッチン中に広がっている…
日本からわざわざ気に入って持って帰って来た
"カリタ"の珈琲ミルで珈琲豆を引き
それをドリップしている息子…
「マミ、おはよ^^」
はにかんだ笑顔でそう言って
私が気に入って使っている珈琲マグにコーヒーを注ぎ
「はい、これ…。マミの大好きな珈琲…」
"どうぞ…"
と、
ソロソロと差し出されたその珈琲マグは
"新鮮ですよ"と
言わんばかりに暖かい湯気を放ち、
香ばしい匂いは私の臭覚を
"ふわっ…"と包む…
我が家には
全自動のエスプレッソ・マシーンも
存在しているのだが______
彼は知っている…
私が
珈琲ミルで豆を引いて飲む方を好んでいると言う事を_______
そのありがたい一杯を両手で包み、
一口啜ると____
その温かさで
体中の固まっていた神経が
早急に緩んで行くのがわかる…
「ああ~美味しい…!ありがとね…^^」
私がそう言うと
彼は安堵したかのように
「…よかった…"薄く作り過ぎたかなぁ~"って思ってたから…」
と
満面の笑みを浮かべる…
そして
私の横にピッタリとくっついて
「マミ、いつもありがとう…^^」
小さな腕で私をハグし、キスをくれる…
小さな小さな事だけど
(母親になってよかったな…)
と
思う瞬間…
これで今日も明日も頑張れる…