We shall overcome | かみゅーんの独り言

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 アメリカの歌手ピート・シガーが亡くなった。1月のことで一般紙にも掲載されていた。公民権運動や反戦運動のテーマソングになった歌を歌った歌手で、同時代の人にとっては有名だったのだろう。

 残念ながら、同時代ではない自分にとっては、ベトナム戦争すら物心付く前の出来事。ピート・シガーで知っているのは、たった1曲しかないが、何度も勇気をもらい、前向きにさせてくれた1曲だ。
 
 その曲はWe Shall Overcome(勝利を我らに)。洋画の音楽やアメリカのカントリー、フォークなどのオールディーズ集に入っていた。非常に単純な曲だが、単純ゆえに魂に響き、心に染み込んでいる。この曲を思い出して口ずさむのは、自分が修羅場に立たされた時が多い。もがき苦しんでいる時に、無意識のうちに、必ず克服できる、打ち勝つことができると自分に言い聞かせるように、この曲が聞こえてくる。



 本当の歌詞はWeだから、ピート・シガーが歌ったのは、個人の問題よりも社会問題だったのは間違いないのだろうけど、聞く側の自由として、そんな難しいことよりも、自分の内心のために役立っている。3.11の時も口ずさんだし、身近なところでは2月の首都圏大雪の時も、この曲を口ずさみながら吹雪の中を30分ほど歩いて家にたどり着いた。

 作詞作曲や歌い手など曲を出す側の意図はもちろん重要だけど、その曲を聴く受ける側が自分に照らして曲を聴くのもアリでしょ。そうやって曲や芸術作品は広がるものだと思う。