※ネタバレか否かは、読者の自己責任なので、あしからず 


 《午後11時の映画祭》 


 第23夜

 &
シネマ#3


 『アノーラ』 


 監督/ショーン・ベイカー 


 出演/マイキー・マディソン/マーク・エイデルシュテインetc 


 2025年●アメリカ





 採点/69点


休日を活用して、TSUTAYAに立ち寄り、去年、見逃していた映画をレンタルし、ノンビリ鑑賞する。

とは云え、エッチな映画が気になって手を伸ばしてしまうのは、映キチおじさんの哀しい性分と云えよう。


ニューヨークの場末のストリップバーで踊り子として働くロシア系アメリカ人女性アノーラが、ロシアの大財閥の若き御曹司の御贔屓になり、見初められるドラマ。

カンヌやアカデミー賞etc名だたる映画祭で賞を総ナメしている大作なのだが、冒頭から惜しげも無く店内のストリップや2人のベッドシーンetcお色気要素が導入される強烈な幕開きに驚く。




とは云え、全編、暗がりが多いので、あまり良く全体像を確認できないのは、大いに残念。。。

現代版シンデレラストーリーと紹介されていたが、四六時中、働きもせず、1日中、昼間はテレビゲーム、夜はドラッグ任せの乱痴気騒ぎの放蕩三昧。。。



肝心の恋なんざぁ一欠片も無く、財産目当てのセックスの延長線で、総てがノリで突き進む。

息子も結婚したらアメリカ国籍がゲットでき、帰国せずに済むと云う算段がお互い秘めているから、観ていて共感できるワケが無い。

案の定、ラスベガスでインスタント挙式を勝手に挙げたと一報が入り、本国の御両親は大激怒。

ニューヨークに居る傘下のヤクザ達を仕向けて、婚約破棄をしろと2人に迫る。

乱闘の最中、アノーラがケガした隙にバカ息子はドサクサに紛れ、逃亡したため、ロシアンマフィア達は彼女を人質に、行方を捜す旅に出る羽目となってしまう。



終始、ロクなヤツが出てこないが、バカ息子探しのロードムービーが始まると、噺は面白くなり、早送りする事も無く、一気に観られた。

其れは、ロシア系の人々に焦点を当てた物語だからだろう。

当たり前だが、所詮、人間はダメな生き物であり、だからこそ愛しいのである。

尊敬する落語家・立川談志師匠曰く
『落語とは人間の業である』
と説いたが、其の論理は、今作を上手く例えており、勿論、ロシア人にも当てはまると感じたからだ。

どうしても、映キチのオッサンとしては、ロシア人=冷酷無比・極悪非道・冷血な殺人マシーンと云う固定概念が、令和でも頭ン中を支配してしまう。

007シリーズのKGBしかり、イコライザーのロシアンマフィアしかり、ロッキー4のドルフ・ラングレンしかり、現実では、プーチンしかりetcetc枚挙にいとまがない。

しかし、冷静に考えると、ロシアの人間かて、笑い合うし、しくじりもするし、励ましもする人間臭い了見があると云う初歩的な人間描写に今さら気付く。

ロシアにも、落語で云う若旦那も居れば、与太郎も居るし、ヤクザの熊さん&八つぁんも居れば、花魁のオネエちゃんも居るし、小言の多い大家さんも居れば、恐い番頭さんも居れば、もっと恐い奥さんも居る。

其の人間関係を今作に当てはめると、皮肉な人間ドラマが味わえて、奥が深い。

当初、アノーラを痛めつける担当の最も下っ端のヤクザの兄ちゃんが、最も彼女に優しい人物であると徐々に勘づかせる。

血を拭くためのハンカチを渡すなど、ちょっとした思いやりが、自業自得の彼女にとって痛々しいハズの世界に救いの光をもたらし、観ている側にも笑いを差し伸べてくれた。

問答無用に連れ戻そうとする強面の御父様が意外と直ぐ笑顔になったのも、緊張と緩和を象徴しており、気持ちも和らぐ。

そして、一番怖いのは、やっぱし、其の奥さんであり、女性なんやなとサゲが付く。

結局、男はだらしなく、女はおっかない生き物であり、其の理論に国境は無い。

此の何とも人間臭く、愛くるしい感情を持って接すれば、今のコンガラかった面倒臭い国際事情も多少は、和らぐのになぁ〜〜

と、呑気にウクライナ絡みのニュースを寝っ転がりながら日曜の夕暮れ時に思う日本のオッサンの了見なのであった。

では、最後に短歌を一首

『愛裁く 冷めた花火や 宵(酔い)のあと 歪む血筋の 凍てつきを噛む』 
by全竜



そして、恒例の《スッポンポンデータ》で候


《年齢制限区分》
R―18

《全編》
139分

《お楽しみ時間》
約9分(ビキニ・ランジェリーも含む)

《お楽しみ時間所有率》
6,5%




《プロポーション》
★★★☆☆

《芸術度》
★★★☆☆

《物語性》
★★★★☆

《エンターテイメント性》
★★★☆☆

《興奮度》
★★☆☆☆

《オススメ度》
★★★☆☆

《総合》
★18





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