《全竜の夜勤明けでっかくグルメ》


 若手が体調不良で、急遽、私が代打で夜勤を行う。


 紆余曲折あったけど、何とか無難に御役御免と切り抜けた。 


 不眠不休で努力した自分にご褒美したい時は、大体いつも清水港に車を走らせ、朝の海を観る事をルーティンにして随分久しい。 


 雨上がりの潮騒を浴びて癒やされると、自然と腹が減ってゆく。 


 故に、清水港河岸で海の逸材をネタに遅い朝食を楽しむのが、自分への癒しとなっている。 


 いつも通う馴染みの店ばかりではなく、新しいお店を訪ね、新開拓を進めたい心持が芽生え、今回、暖簾をくぐったのは、まぐろ館2階に新規オープンして間もない新鋭 

『清水・五鉄』




 以前、静岡のグルメ情報番組

《くさデカ》

で紹介されて以降、ずっと気になっていた海鮮専門店である。


 窓から駿河湾が望める席に座り、ノンアルコールビール480で渇いた喉を潤す。




 肴は、魚料理の王道にて、数量限定メニューの 

『アジフライ¥880』

 を御機嫌に頬張る。 




 朝仕込みのふくよかな肉質が柔らかく舌に弾む。 




 タルタルソースもバツグンだが、ソースをタップシかけて、存分にかじりつくのが、アジフライの醍醐味と云えよう。 


 ビールを注ぐピッチが躍進すると、続いてオーダーしたのは、オリジナル名物 

『マグロのなめろう¥858』




 正統派の次は変化球を欲する私の胃袋にストレートにマグロの威力が強力に響き渡る。 


 なめろうってぇっと、先程、フライで堪能したアジの得意分野だが、庶民的おつまみの代表をマグロで手掛けるとは、何とも贅沢なアプローチに舌もときめく。




 細かく叩き込まれたマグロの気品高き肉質から発する粘り気が、官能的に絡まり魅了する。


 特製味噌や生姜、多彩な薬味が、尖りを和らぐ高度なコーティング技術が愛しい。 


 ビールを呑み干し、いよいよメインへ。 


 看板は、屋号にも有る十八番 

『鉄丼』 




 レベルは1〜5まで存在し、せっかくなので、中間地点の 

『三鉄丼¥2180』 

を欲張り、ご飯大盛り¥100でガッツリとカスタマイズして向かい合う。




 店先に告知された本日の鮮魚

(マグロ、マダイ、カンパチ、カズノコ、つぶ貝)

にイクラ&カニをプラスした豪華版は、レベル3で、充分、貫禄が目映い。 


 先ずは、ワサビ醤油をお好みで、グルリと掛け、海鮮丼として味わう。




マグロやマダイなど海のスターの輝きに酔いながらも、脇役のカズノコやつぶ貝の巧みな食感が楽しく入り乱れ、看板女優のカニ肉がセンターに咲き誇る圧巻のオールキャストの旨味が堪らない。


怒涛の勢いで食べ進み、程良いターニングポイントにて、丼の中央に、浜名湖産生海苔を添えたら、アツアツに熱せられたの金目鯛の出汁をタップシかけ、

《まご茶漬》として、サラサラ〜と〆括るのが、流儀と指南され、早速、実践。




ダシの魅力を吸収し、各キャストの技が、より輝きを貫き、我が本能の隅々まで華麗に滑り込む。




熱を帯び、味わいが変貌するマグロとカニの妖艶な舞踊が特に悩ましく、最後まで翻弄されっばなしだった。




駿河湾の波に弄ばれる夢心地に暫し沈む。そんな呑気な日曜の無防備なる一休みなのであった。


では、最後に短歌を一首


『瞬きの 夢に溺れし 波の舞 器ぞすくい 染めゆく湯舟』

by全竜





 

 

 

 

 

 

 

料理番組でやってたメニュー

 

Amebaグルメ部