シネマ♯6
『映画 ミステリと言う勿れ』
in TSUTAYA
監督/松山博昭
出演/菅田将暉●原菜乃華●柴咲コウ●町田啓太●萩原利久●松下洸平●鈴木保奈美●でんでん●滝藤賢一●松坂慶子etc
採点/80点
雨の休日を活用し、コロナ禍で見逃していた劇場作品を鑑賞しようとTSUTAYAへ。
先ずは、人気連続ドラマの劇場版を嗜む。広島旅行を満喫中の大学生・久能整が、なぜか、財閥の遺産相続争いに巻き込まれてゆく。
『犬神家の一族』『獄門島』など往年の人間模様を臭わす謎の渦に、古びた蔵や鍵、人形、一族の秘密を揶揄する演劇etcetc数多くのアイテムやキーワードの山は、昭和の映画好きは懐かしさを感じさせ、疼きながら入り込む。
今回も、一言も二言もイチイチ多い菅田将暉演じる主人公のキャラクターが健在なのが嬉しく、笑いを交えながら、鋭い洞察力で、血と因縁に塗れた歴史をパズルの如く紐解き、真実を暴いてゆく勢いは、醍醐味であり、快感でもある。
直接、惨劇が眼の前で引き起こすワケではないが、埋もれていた陰謀を独特の切り口と涙と共に語り、見事にオトす物語に、相変わらず少し笑い、少し泣いた。
コロナだろうが、恐れずに出掛けて、劇場で観るべきだったと、ファンとして素直に思い、悔やんだ。
もっとストーリーを掘り起こして、説明したいが、ネタバレになりかねないので、代わりに短歌を一首詠んで〆括りたい。
『安芸みちて 覗きあう鍵 おとすまえ 渦ほぐす石 鬼ぞ埋めて』
by全竜