《4月の肉メシ大会(ダイカイ)』
牛肉に続いては、《鶏肉》を特集してみたい。
かつて人気を博したメニューを満を持して復活させる企画が多いのが、特徴的と云えよう。
先ずは、牛丼チェーン界屈指の軍師
『松屋』
からトップを飾り、斬り込みたい。
伝家の宝刀“ごろチキ”こと、
『ごろごろチキンカレー¥780』
が、期間限定で復活したからである。
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松屋ならではの鼻腔を本格的スパイスでグリクリくすぐる刺激に乗り、大ぶりのチキンがゴロゴロ突進し、衝突する勢いは、朝から何とも贅沢な交通渋滞であろうか。
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そんな天下無敵を誇る宿敵に対し、独自の挑戦状を叩きつけたのが、かの重鎮
『吉野家』
だ。
其れまでライバルの一角《なか卯》の専売特許であった
『親子丼』
を春レースに復活させたから攻めがニクい。
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せっかくなので、
『大盛¥767』
で充分、堪能する。
トロトロに覆う卵の大海から、噴き出てくる柔らかチキンの熱き旨味は、夜明けの活火山と云えよう。
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スタン・ハンセン戦におけるアントニオ猪木の逆ラリアート、
もしくは、牙剥く長州力に叩きのめした藤波辰爾の逆サソリ固めを彷彿とさせる
《掟破りグルメ》
だとアングルを評したくなる私は、つくつく不適切な昭和のオッサンであると通関する。
続いては、中華で楽しみたくなり、訪れたのが、
西の曲者
『餃子の王将』
鶏の唐揚げが長年看板を誇るが、いつの間にか姿を消していた名作
『チューリップ唐揚げ¥680』
が、期間限定で復活したのである。
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先端に大きく鶏肉を付け、以下は骨が剥き出ている個性的な見た目から名付けられたメニューであり、唐揚げよりも此方を好んでいた私には、非常に嬉しい春の報せとなった。
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骨ごと豪快にカブりつくと、程よい塩加減からほとばしるジューシーなる復活宣言に、無条件で生ビールを欲してしまう。
此の悩ましき悶絶も、懐かしき美味しさとしてしみじみ想い出す。
そして、最後に辿り着いたのは、唐揚げ戦国時代の勝ち頭
『からやま』
注目の春の新作こそ、
『洋食盛り定食¥790』 だ。
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コンソメ味のから揚げをセンターに、ナポリタン、目玉焼き、タコさんウインナーが集う色鮮やかな懐かしの布陣は、昔、お弁当の花形おかずオールスターと評し、春の遠足に持って行きたい。
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しょっぱくもほんのり甘く仕上がったコンソメ味の唐揚げにケチャップをディップし、更に味を濃厚に塗りだくり、頬張る幸福感は、まさに、
唐揚げ=食す娯楽大作の風格が色あせておらず、童心に帰って白飯をかき込む自分に気付く。
ゴールデンウィークに、唐揚げ弁当を片手に独り、遠足に出掛けると云うのも、粋な余暇の過ごし方なのかもしれない。
では、最後に短歌を一首
『
振り向けば 夢ぞ開けと チューリップ 懐かしく咲く 春の遠足』
by全竜