前回、貝類を起用した云わゆる《シェル系》の麺類が注目されている。


 ラーメンだけでなく、他のジャンルでも流行しており、眼が離せない。


 ってなワケで、今回は

《春のシェル系麺グルメ大会(ダイカイ)》 

と銘打って、いろいろ食べ歩いてみよう。


 初回に、取り上げるは、特に大好きな《あさり》


庶民派の味方として、重宝され、限定メニューを手掛けるお店も多い。


 先ずは、蕎麦から嗜みたくなり、夜勤明けに向かったのは、立ち食い蕎麦チェーンの筆頭
『ゆで太郎』


 絶好のタイミングで限定イベント
《ギッシリあさり祭》
を開催中で、仕事帰りに何だか嬉しい。




 数ある品書きの中から、 

『あさりとネギのかき揚げそば(ぶっかけ)¥700』
をチョイス。




 サイドめしも 

『ミニ焼き鯖丼¥230』

 を選び、海鮮系にまとめて、向かい合う。 


 あさりならではの旨味が、衣の油と相まって、更なるエキスが醸し出し、啜り上げるテンポもまた加速していく。




 朝から才覚が引き締まる一杯と云えよう。


 続いては、うどんを堪能したくなり、ランチタイムに訪れたのは、讃岐うどんチェーンの筆頭

 『丸亀製麺』 


 春の限定メニューからお目当ての

 『山盛りあさりうどん¥790』
を選択。


 サイドもせっかくなので、
天ぷらは、三つ葉とエビのかき揚げ、ほうぼう、エビ、ちくわ、
おむすびは、明太子・鮭
と、欲張りなまでに、海鮮グルメで一括し、いざ実食。




 殻ごと豪快に山盛りに積み上げられたあさりの山は、圧巻の光景を光らす。 


 イチイチ殻を外すのが、面倒臭いのが、難点だが、其の分、旨味エキスが濃厚に輩出され、喉越しが倍増。 




 テンションが駆け上がった。


 最後は、洋風に〆括りたくなり、夜に辿り着いたのは、イタリアンチェーンの大御所 

『ジョリーパスタ』 


 豊富な海鮮パスタから、選んだのは、無論、

 『ボンゴレビアンコ¥890』




 たっぷりアサリに、匹敵する威力のガーリックは、日々の疲れを一気に打破するパンチ力を誇る。


 此方も殻付きなのが嬉しい。




 想像以上にピリ辛テイストなのも食欲を煽る。


 故に、甘いモノが欲してしまう。


 季節感満載にイチゴを起用した春限定ドルチェ

 『しぼりたて苺のモンブラン¥590』

 で華々しくフィナーレ。




 苺のペーストをモンブラン調に搾り、仕上げた佇まいは、赤富士の貫禄を想わせる輝きが悩ましく美しい。 




 中には、ショートケーキとストロベリージェラートの嬉しい二重構造。


 新鮮な甘酸っぱさは、どこか春のいたずらっぽさを匂わせ、罪深く柔らかい堕落感に身を委ねる己に気付いた。


 もうすぐゴールデンウィーク。


 貴重な連休を食べ歩きで満喫するのも、粋な余暇の使い方やなと膨れた腹を摩りながら呑気に想う4月の帰り道なのであった。 


 では、最後に短歌を一首 

 『かき分けば あさりの山々 殻蒼く 仰ぐ空から 春ぞ積み上げ』

 by全竜