『4月の春バーガー大会(ダイカイ)』


 真打は、地元・静岡の人気バーガーショップでゴールしたくなり、休日に電車を乗り継ぎ訪れたのが、静鉄・新静岡駅真ん前に佇む老舗バーガーショップ
『チェリービーンズ』




 俗称《チェリビ》
である。 


 天井には巨大なファンが幾つも緩やかに廻り、アンティークなテーブルなイスがオシャレに並ぶ空間は、『アメリカングラフィティ』や『ブルース・ブラザース』などの賑やかなアメリカ映画に登場するカフェを体現したような心地好さが滲み出てお気に入りスポットの1つだ。 




 カウンター席からは、窓辺に駅ビルを行き交う群衆の流れを展望できるのも面白い。 


 王道のビーフパテを挟んだ御馳走バーガー
《チェリビバーガー》
が、絶対エースであるが、個性的なバーガーも揃えているので、せっかくなので、いろいろ紹介し、食レポしてみよう。


 先ずは、此方♪ 

 『パイナップルバーガー¥600』
である。




 その名の通り、輪切りにしたパイナップルを豪快に挟んだ1品だ。


 酢豚同様に、コッテリ肉料理にフルーツを挟む手法に、躊躇してしまうが、カジってみると、パイナップル独特の酸味が広々と醸し、ビーフパテの柔らかさやジューシー度を上手く引き出され、見事な一体感に唸った。 


 硬みの狭い酢豚のパイナップルにエールを送りたくなる、たくましい存在感と云えよう。 


 また、静岡にちなんだ御当地バーガーも開発しているのも注目であり、其の逸品こそ、
『静岡わさびバーガー¥650』
である。 


 せっかくなので、
チェリビポテト&ドリンクのランチセット¥450と共にジックリ向かい合う。 




 従来のマスタードの代わりに、おろしたての静岡わさびがタップシ塗られた一見、罰ゲームかいな。。。とタジロぐビジュアルは、異様な輝きを醸す。




 恐る恐るカジると、痛烈なワサビの刺激が鼻腔を貫通し、一瞬、フリーズに陥りやすい。 


 しかし、其の痺れ具合がクセになり、ビーフパテの醍醐味を煽り、不思議なコンビネーションを繰り出し、ヤミツキと化してしまう。 


 和牛ステーキにワサビを添えて食したり、ワサビ飯を堪能するワサビグルメに通ずるワビサビの世界と云えよう。


 また、相棒のチェリビポテトも、特製香辛料を多様に混ぜ込み、スパイシーな旨味で、摘む本能をくすぐり、己の指先がショッパくなるまで、止まらなくなる。 




 シェイクよりも、冷えたビールが恋しくなる大人泣かせのタッグチームは、揺るぎない郷土愛に溢れた静岡ジャンクグルメではなかろうか。


 ワサビバーガーの刺激とチェリビポテトのスパイシーの相乗効果で、甘いモノが欲したので、最後は、デザートでスイートに〆括りたくなった。 


 内容も知らず、デザート欄から頼んだのが、
『スキレットチョコスモア¥450』
である。 




 小さなフライパン・スキレットに、溶かしたチョコレートとマショマロが焦がして付いており、2つを混ぜ合わせたり、周りのビスケットにディップしたりして味わう洋風スイーツでキャンプ料理としても、頭角を現している1品だ。 




 トロトロに融合するマショマロとチョコの熱きマグマの波は、メインの二品とは一転して、対極的に物凄く甘く、衝撃的である。 


 此の振り幅の広さは程が有ると良い意味で言いたい。 


 おかげで、今度は、ショッパいのが恋しくなる困ったスパイラルに陥ってしまった。 


 呆れながら窓を見下ろすと、新静岡駅前で、缶ビールのお披露目イベントを催しているのが、よりにもよって此のタイミングで飛び込む。 


 シメシメ、、、とおびき寄せられる辛党のハチ助と化す4月の昼前時なのであった。


 では、最後に短歌を一首 


 『朗らかに ワサビ挟まれ 春まるく 花なき花見 酔えば楽しや』
by全竜