《2月のヤケ喰い紀行》
豚肉に続いては、牛肉にピックアップして、食レポしていきたい。
先ずは、やっぱし、天下のスラッガー
『松屋』
から力強く幕開きしてみよう。
冬季の限定定食の本丸として、プッシュされている力作こそ、
『カットステーキ&ハッシュドビーフ定食¥890』
である。
ハッシュドビーフだけでも食べ応えタップシなのに、更に分厚いステーキが合流し、パワフルな美味さがステップアップし、白飯は、並盛りではとても足らないクオリティと云えよう。
こう云う洋食の汁物でも一貫して味噌汁を添えるこだわりは、松屋の美学が光っており、何だか愛しい。
続いては、バーガーチェーンの大御所
『モスバーガー』
へ夜勤明けに直行。
巨匠としての権限をフル活用して仕掛けたスペシャル企画
《1頭買い・黒毛和牛バーガー》
が、今月より進展し、
第2弾
『特製テリヤキソース〜ゆず胡椒風味〜』
が、登場。
せっかくなので、サラダセット&新ドリンク・ゆずレモンジンジャーをプラスして、ガッツリ向かい合う。
貫禄タップシに挟まれたビーフパテは四角い重量感が個性的に輝く。
コッテリ濃厚に滴るテリヤキソースの濃度を柚子胡椒フレーバーが爽やかにフォローし、バランスの整った完成度で畳み掛けてくる。
さすが、一頭買いする豪快なプロジェクトならではの逸品パーがーと云えよう。
続いては、牛丼チェーン随一の策士
『すき家』
へ訪問。
テクニシャンとしての才覚をほとばしらせ、リリースした1杯こそ、
『お好み牛玉丼¥650』
である。
スタンダードな牛丼に、タップシのキャベツ、マヨネーズ、青海苔、そして、鰹節が覆う浪速の濃厚ワールドは、すかさず、一口目から関西の粉モンゾーンへ愉快に誘う。
いつも以上に紅生姜を増やし、トッピングすると、より、お好み焼きへと接近し、とても興味深い。
そして、いよいよ最後に辿り着いたのは、定食チェーンの強豪
『やよい軒』
御飯お代わり自由の特権に良く似合う頼もしい新作こそ、
『ブラックアンガスビーフステーキ定食』
である。
せっかくなので、
肉1,5倍の特ビーフステーキ定食¥1990をチョイスし、ソースは和風、味噌汁は、せっかくなので豚汁変更¥190を施し、存分に堪能してゆく。
ステーキ専用に取り寄せた秘蔵ブランドブラックアンガスビーフは、歯応えと口溶けの絶妙な肉質が、口の中で官能的にコダマする。
響き渡る炊飯ジャーの蓋を開ける音が、本能に囁やき、呼び込む。
結果、三杯お代わりしてしまった。
恐るべし、ブラックアンガスビーフの一言に、尽きる。
また、鍋モノシリーズも並行して展開しており、真打は、やっぱし、
《すき焼き定食》
であろう。
せっかくなので、
『肉増しバージョン¥1390』
で、ガッツリ実食。
すき焼き定食ってぇっと、本家・吉野家の専売特許と思いきや、コチラのクオリティも、甘目のシッカリした味付けの割下に、牛肉がフルスイングで染み込み、白飯を煽りに煽る。
豆腐や野菜陣などの脇役達の活躍も目覚ましく、気付くと、やっぱし白飯を三杯お代わりしてしまった。
ちょっといつもより長く歩こうかと、膨れる腹をさすりながら、悟る冬の帰路なのであった。
では、最後に短歌を一首
『お代わりを 誘う湯気や 肉の濃さ モー烈にゆく 後悔の波』
by全竜