《午後１１時の映画祭》
『必殺仕掛人・劇場版』
inＢＳ松竹東急
監督／渡邉祐介
原作／池波正太郎
出演／田宮二郎●高橋幸治●津坂匡章●川地民夫●野際陽子●ひろみどり●森次晃嗣●穂積隆信●室田日出男●山村聡etc
１９７３年・松竹
夜勤明けにゴロゴロと。
イヤな事ばっかし。ホント、イヤ。
眠れずに真夜中ゴロゴロと。
せっかくなので、ＢＳチャンネルで放送された本作を録画鑑賞する。
云わずもがな、テレビ時代劇の歴史を変えた大ヒット必殺シリーズの第１弾。
記念すべき劇場版デビュー作は、テレビ版と異なり、主役の鍼師・藤枝梅安を田宮二郎、浪人・西村左内を高橋幸治が仕掛人コンビを演じているのが、大きな特徴。
江戸の街の縄張り争いに巻き込まれた血生臭さを、田宮二郎のニヒルで庶民的であり、ストイックな姿勢が際立ち、独特の世界観を美に映えて、魅了する。
流暢で歯切れの良い江戸弁が冴え渡り、表裏一体の仕掛人稼業を妖艶に浮かび上がてゆく。
元締の山村聡、側用人の津坂匡章、そして、仕掛ける際のＢGMは、テレビ版と継続しており、アンバランスな味わい深さに、シリーズのファン心を委ねていくのも粋な正月の宵の過ごし方と化していた。
仁義を重んじる昔気質の任侠稼業を貫こうとする二代目を森次晃嗣がモロボシ・ダンの真面目さが活きたようなキャラが特撮オタクをくすぐる。
岡場や賭場などの裏の仕事を根こそぎ奪おうと裏切る片腕川地民夫、結託する悪徳同心に室田日出男と、冷血な悪漢達との対立構造は、凄味を効かせたキレの有る醍醐味をフィルムに鮮やかに刻む。
中でも、組の姐御を演ずるのが、キーハンターで一世を風靡した頃の女盛りの名女優・野際陽子なのが、特筆したい要点である。
冷酷無比に仕切る悪巧みに笑む憎たらしさが滲み出るほど、男を惹きつける色気が鋭さを増す。
代役とは云え、濡れ場にも果敢に挑んでいるのも、とても貴重と云えよう。
此のほっとけ無い危険な引力が、これまでの人生模様を炙り出し、梅安との哀しく儚い因縁をクライマックスに咲き散らして、トドメを突く。
確立した緒形拳の仕掛人とは、一線を画す面白さを描いた点でも、もっと評価して良い作品ではなかろうかと、しみじみ思う１月の夜更けなのであった。
では、最後に短歌を一首
『地獄耳 毒蟲 針で 可愛がり 仕込む縁日 血の雨ぞ抱く』
by全竜
そして、恒例の《スッポンポンデータ》で候
《制限区分
なし
《全編》
８７分
《お楽しみ時間／セミヌードも含む》
約２分
《お楽しみ時間所有率》
２.３％
《乳首の披露》
あり
《陰毛の披露》
なし
《ベッドシーン》
あり
《プロポーション》
★★★☆☆
《芸術度》
★★★★☆
《物語性》
★★★★☆
《エンターテイメント性》
★★★★☆
《興奮度》
★★★☆☆
《オススメ度》
★★★★☆
《総合》
★２２
