11月21日は、尊敬する立川談志師匠の命日である。

清水の老舗蕎麦屋
『ふるさと』
で、師匠直筆サイン色紙を参拝するのが、談志信者として恒例行事と化して、随分久しい。


とは云えども、今年で、もう十三回忌とは、イヤハヤ、時の流れとは残酷だ。


いつものカウンター席で、ノンアルコールビールを注ぎ、師匠に献杯を捧ぐ。

料理を待つ間に、師匠関連本の代表格・吉川潮著
『いまも談志の夢をみる』
を感慨深く読み耽る。


今日は私も夢とやらを見させていただきたい。。。

柄にもなくセンチメンタルに喉を潤したら、今月のおまかせコースの幕開と相成る。

トップバッターは、お馴染み
『①地魚刺身盛合せ』


しかし、今回は、横長の皿にズラリと、真一文字に並ぶ海の幸オールスターズの勇姿に惚れ惚れとツバを呑む。

メンバーは、
・鯵のなめろう
・ハタ
・キンメダイ
・マグロ(本鮪、南鮪、ビンチョウマグロ)
・マダイ
・イトヨリ
と多種多彩なる豪華な顔ぶれ。

赤身と白身それぞれの個性がシットリと対峙しては、眩い口溶けを官能的に描く。

特になめろうは、傑作の極味と云えよう。

続いては、
『②天ぷら盛合せ』
の御登場。


此方も、贅沢なキャスト陣が所狭しとひしめき合う。

メンバーは、
・季節の野菜
・桜海老とムカゴのかき揚げ
・タチウオの稚魚シラガ
・イトヨリ

駿河湾の宝石・桜海老のかき揚げと並び、本日のオススメは、刺身盛でも活躍したイトヨリが務める。

ホロホロと柔い口当たりの身が、やんわりとだが、勢い良く本能に弾む。

普段は脇役に回る野菜陣も、実に甘く魅力を発揮しているのが嬉しい。

続いて、3品目は、焼物ゾーンへ

今回は、趣向を凝らして、
『③マグロの串焼き』
云わゆる《ネギマ》とは、ニクいラインナップだ。


火がキッチリ入っていながらも、驚く柔らかさとジューシーな旨味たっぷりの肉質に驚く。

如何に厳選した良いネタであるかを、味覚で知らしめるのだから、問答無用の説得力と云えよう。

ビールを呑み干し、ハイボール替わりにジンジャーエールをオーダーしたら、後半戦へ突入する。


宴はまだまだ始まったばかりだ。


つづく