関東甲信越が梅雨入りということで、憂鬱な季節到来である。かといって真夏は暑くて嫌いだし、冬は寒くてつらい。春秋は天気が荒れるので好ましくない。一年中しっくりこないのであるが。いつも心に太陽を、という訳で、処方箋により横田年昭とビート・ジェネレーションを聴く。レギュラー・メンバーは、横田年昭(各種フルート) 水谷公生(エレキギター) 佐藤きにお(ベース) アントニオ石田(ドラム) ラリー須永(パーカッション) アソシエイト・メンバーが6人いるのだが、長くなるので省略する。ひとりだけ挙げると、ベースが寺川正興である。
本作品は4パートからなる表題の組曲、カヴァー曲の「オルフェのサンバ」、「黒いオルフェ」にオリジナル曲2曲が収録されている。タイトルになっている組曲は、ジャズとロックとラテンの融合のような展開であるが、サンタナとはまた違った、暗い情念を感じさせる独特の雰囲気が良い。水谷公生のギターは、歪ませかたがマイルスのバンドにいたピート・コージーみたいな印象を受ける。ただ、ピートがマイルスのバンドに入ったのはこのアルバムより後だから、私の印象は時系列に沿っていないことになるが。