この映画、DVDを手に入れて、ゆっくり時間を作って観ようと思いつつ、数ヶ月、、、、、

やっと腰を落ち着けて見る事ができた。

この映画を讃え神格化する輩もいて、DVD化に猛烈に反対したらしいが、その作品を神と崇めようと、汚らしいと拒絶しようと、それは受けての自由だと思う。
観る事で、何らかの気持ちの動揺があれば、作品としては成功なんだと僕は思っている。
何より、好意よりも拒絶の方が強い感情であり、その強い感情を映画を観る事で与えられたとしたら、その映画はそれだけのパワーを持った作品だと言える。


で、僕が見た感想は、、、、、、、、

何を見ても動じなくなってしまった自分自身にショックを受けた、、、、、、

内容に関しては調べれば解ると思うので割愛する。

映画の冒頭、主人公はハトを公園で捕まえ、その首をちぎる。
その後、傷痍軍人のコジキを罵倒し、お金を暴力によって奪う。

この鮮烈な冒頭で、僕のこの作品に対する免疫が付いてしまったように感じる。

小人の兄妹の近親相姦。
その妹は焼けどにより上半身は焼け爛れている。
そしてレイプされ、女に目覚めてバイブでオナニー。

主人公の男はマネキンしか愛せない変態。
連続殺人鬼で、殺した女の臓器をマネキンの体に仕込む。

若く美しい兄妹の近親相姦(映画の中では兄妹とは一言も言っていない)
妹が死んで、その死骸を食べる兄

女性の下半身を模した木を愛するホームレス。
マネキンに恋をして、毎日切ない気持ちを伝えに来る。

ルンペン、傷痍軍人、小人、レイプ、障害者、近親相姦、性、カニバリズム、こう書くと、タブーのオンパレードのような題材ばかりだけど、この作品は、そんなタブーを真正面から直視させてはくれなかった。

ただただ残念なのは、映画が全体的に詩的で、綺麗過ぎて残酷さや孤独感が伝わってこない事だ。

音楽も殆ど無く、モノクロで狙いは良い。

カメラもゲリラ撮影があったかも知れないが臨場感があり、白黒ならではのコントラストで見せる映像だ。

内容が無い割には、流れるような詩的表現で2時間半見せてしまうだけの力はあると思う。


でも、普段直視できないエログロな世界に、折角「対じ」しようと身構えているのに、詩的な表現に肩透かしを食らった感じを受ける。

冒頭の10分でその鮮烈さに映画の世界に引き込まれたのは良いが、それ以降の刺激が弱くて期待外れに終わった感が残る。


僕はこの映画で何を見たかったんだろう?

久々に自分にそう問うた作品だった。

小人の妹の声が可愛いと思ってしまった瞬間に、僕にとってこの映画はタブーでも何でも無くなってしまったように感じてしまった。