この映画を見て、まず気づくのは映画全体が箱庭的で、囲われた世界で進行してゆく事だ。

最後に主人公が病院を出た所も建物を背景にしていて、本来ならシャバの空気を一杯に吸って、空を仰ぎ見たくなるような体験をしたはずなんだけど、その開放感は微塵も感じられない。

最後のシーンでもタクシーに乗った内田有紀が写しだされるが、これも又閉鎖された空間だ。

「演劇出身が映画を作るとこうなります」

と言った臭いを精神病院の閉鎖病棟を題材にする事で見事に包み隠している。

と言うか、こういった劇場型のシュチエーションが松尾さんにとって一番表現しやすい場なのかもしれない。

内容についても同じ事が言えそうで、メアドに記されたroopの文字、一見普通に見える蒼井優演じるミキの異常性、りょう演じる江口の首の傷のくだり。

ちょっとした所に細工が施されていて、好きな人には高評価だろうと思う。

僕にはちょっとわざとらしくて、暗転前の最後っ屁みたいで好きになれなかった、、、、、


話の内容も、僕にとっては今一で、これは、映画が悪いのではないと思うんだけど、「精神病院閉鎖病棟」に求める僕の期待と大幅にかけ離れていたから、失望してしまっただけだと思う。

これが「松尾スズキ」の「精神病院閉鎖病棟」でありクワイエットルームへようこその舞台であると言う事を、後半、僕自身が受け入れた所から俄然面白くなってきた。

題材が「精神病院閉鎖病棟」と言う事で期待をしてみていただけに、そのゆるゆる感が僕にとっては物足りなかった。

ただ1つ、光っていたのは大竹しのぶ演ずる西野、全体ゆるゆる感が漂う病棟の中を、最後にギュっと絞めてくれる。

映画を観る時、観客は思い思いの期待を持ってスクリーンの前に座る。

多かれ少なかれ、映画に対する情報を持って観ようと思うのだから、それが自然だ。

でも、その期待を裏切られた時、他の人にとっては面白い映画でも、自分にとってはつまらない映画となってしまう。

監督を受け入れる事が出来るか否か、作品の世界観を受け入れられるか否か、、、、

それに掛かっている作品だと思う。



でも、横にも眠くもならずにエンドロールまで見たんだから、面白かったんだろうな~。

内田有紀の下呂は、シーンが変わる度に移動していたけど、、、、、