仮想サーバー | 中堅SEの残酷日記

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きつくて夜遅ーくまで働くブラック企業で働くイメージを持たれがちなSE。そして、なんか良くわからないけどすごそうと思われるSE。SEの生活を垣間見たい方のためのブログです。

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今回は仮想サーバーをイラストにしてみました。
昨日のミドルウェアと同じシリーズです。




会社で考えてみていただきたいのですが、社内のサーバールームには1台のサーバーしか無いにも関わらず、社員からみると、あたかもたくさんのサーバーがあるかのように利用できるというのが仮装サーバーの仕組みです。

バーチャルマシンとも言い、VMと略します。


このとき、OSのライセンスは仮想サーバーの数だけ必要になります。



この仮想サーバー(以下、VM)を利用する利点ですが、VMを作ったり削除したりを簡単に行うことができるのが大きいです。また、メモリの量やディスク容量を変更するのも簡単です。

VMが出てくる前は、1台のサーバーに1台の機械が必要でした。使っていくうちにメモリを増やしたいと思ったとします。増やすためには、サーバーの機械をいじらなくてはいけません。ディスク容量を増やすのも同様です。

しかし、VMなら、管理画面から簡単に、メモリやディスク容量の変更を行うことができます。



そして、先ほど利点として大きいと書いた、VMを作ったり削除したりという話。

これは、アプリケーションを開発するSEやプログラマーでないとイメージがしにくいかもしれませんが、ちょっとお付き合いいただきたいと思います。


アプリケーションは、それが実際に動くのと同じサーバーでテストするのが基本です。OSの違いは、時に思わぬ不具合の原因となります。(Windows 2003 Serverで動いたアプリケーションが、Windows 2008 Server でも同じように動いてくれるかは分かりません)

お客さんごとにアプリケーションを作ったり、あるいは、カスタマイズを行う場合、お客さんの会社のサーバーと同じサーバーが、社内にもテスト用に必要になるということです。

これを、毎回毎回、サーバーの機械を用意して、OSも購入して、インストールして・・・とやっているととても手間がかかりますし、場所も取ります。

その点、VMはいくつ作っても(もちろん、本体の性能に応じて数に上限はあります)、必要な場所は1台分のみ。

しかも、VMを作るときに、OS、メモリ、ディスク容量などを自由に設定できます。そのうえ、VMを作るのは30分もかからないような作業です。サーバーを業者に発注して、納入されたらサーバールームに運んで、OSも別で発注してライセンスが利用できるようになったら、サーバールームでセットアップして・・・とやるのに比べてどれだけ楽かは、想像に難くないと思います。


その他の利点としては、ここまでの例は社内にVMを持つ前提の話でしたが、社外のVMを利用するということもできます。(そういうサービスを行っている企業があります)

そうすれば、社内でサーバー管理を行う必要がなく、管理を専門に行う会社に任せることができます。これは、社内に余分な技術者が不要になるということですし、余分な固定資産を持たなくて良いということにもなります。



非常に利点が大きく、近年利用が進んでいるVM。しかし、難点もあります。それが、VMについては動作保証されていないソフトウェアが多いということ。VMは、VMではない通常のサーバーと同じように動作する「ということに」なっていますが、そんなことは証明しようもないんですよね。そこは、VMの性能を信用するしかありません。

これまで、VMだから何かが動作しなかったという経験はありませんが、実際、VMは動作保証外としているソフトウェアというのは存在します。保証外でも、通常のサーバーで保証されていれば、名目上VMでも動くはずなので、使ってしまうのですが、トラブルがあったときに、ソフトウェアの開発元のサポートが受けにくくなります。(あるいは、受けられないこともあるでしょう)

便利なのですが、ちょっとリスクがあるんですよね。



とはいえ、これからもどんどん普及していくと思います。社内にサーバーをたくさん持つよりも、信頼できる社外のVMを利用する会社が増えていくのではないかと思っています。



ちなみに、仮想サーバーは自分のパソコン内に構築することも可能です。(ただし、当然OSのライセンスが必要になります)