映画感想「裏切りのサーカス」 | 記憶の欠片(ピース)

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病気がちで、甲斐性のないおっさんのブログ。
小説・ショートショートを書いていましたが、気力が失せたため、思い付きでいろんなことを書いています。

ネタバレを含む感想です。

裏切りのサーカス
2011年
イギリス、フランス、ドイツ合作
主演 ゲイリー・オールドマン
監督 トーマス・アルフレッドソン

原題はTinker Tailor Soldier Spyでこれはマザーグースの話に引っかけたタイトルだそうです。鋳掛け屋 仕立屋 戦士 スパイ といった邦訳になるようです。登場人物の暗号名などにこれらが使われています。

冷戦下のイギリス情報部におけるスパイ活動のお話。
ハリウッド映画のような派手なアクションは無く(ただし殺人シーンはエグいです)、淡々とした暗い感じでイギリスの天気のような雰囲気。
サーカスというのはイギリス情報部のメンバーを指すことばです。そして、この中に裏切り者がおり、それを探し出すというのが物語の中心になります。
イギリス情報部の主要な登場メンバーは、3人が同性愛者で残りの多くが女たらしということになっており、いかにもイギリスらしい?構成です。

主演のゲイリー・オールドマンはかつて、自分の役がキレているか半ギレの悪役が多かったことについて、想像力の欠如だと制作者側を批判していたという話ですが、そういう風に見える、そういう役がうまいと見られているから依頼が来るわけで、イヤなら受けなければいいとは思います。イメージを大切にするためエグい役はやらないというひとは、けっこういますよね。ですが、役をあまり選びすぎると役者としてやっていけないという面もあるでしょうから難しいのはわかります。そして大概の場合、来る役をほとんど何でも引き受けるというほうがいいことにつながるようです。結果論ではありますが、オールドマン自身もこの役では物静かな役ですが、これでしょうにノミネートされ、あるいは受賞しています。俳優は、齢とともに変わっていく部分もありますからね。40,50でやっとブレイクする人も珍しくありませんし。

映画としては、「個々の点で甘いが全体的まとまりで高い点が付く」といったかんじでしょうか。体操競技、種目別優勝は逃したが総合で2位だった、みたいな感じです。
惜しいと感じるのは、情報部の中の裏切り者捜しにおいて、少しトントン拍子に過ぎた感じがしたこと。そんなにあっさり解決できていくなら、これまではなんだったのかという気はしました。もう一ひねり加えると新しい技が完成していただろうと思います。(なんの技だろう?)

一番印象に残ったシーンは、男同士の愛が破れていく場面。「おぅ。そうだったのかい」っていう感じでした。
最後にゲイリー・オールドマンがニコッと笑う顔が見られます。

 

おもしろかったよ。2回見た。

 

 

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